eラーニング戦略研究所は、企業の人事・研修担当者を対象に2021年度の新入社員研修に関するアンケート調査を実施し、2018年に実施した同調査結果と比較した内容をまとめた報告書を公開致しました。
その結果、新入社員研修に求められる教育内容が拡大していることが明らかとなりました。たとえば、今年の新入社員研修で「仕事の進め方」を取り扱った企業は75.8%でしたが、3年前より25.8ポイントも増加しています。そのほか「コンプライアンス」「企業理念・事業概要」「サービス・商品・業界の基礎知識」「ビジネスマナー」「情報セキュリティ」など、ほとんどの内容で実施率が大きく増加していました。
もう1つ、前回調査から大きな変化がみられたのは「eラーニング導入率」です。新入社員研修におけるeラーニング利用率は72%で、前回調査からほぼ倍増しました。コロナ対策として三密を避ける取り組みが求められるなか、オンライン研修の需要が高まり、基礎教育や研修後の確認テストなどにおけるeラーニング活用が進んでいます。新入社員研修で教えるべき内容が増加しているのは前述した通りですが、その対策の1つとしてもeラーニングが有効活用されているものと推察されます。
その一方で、集合研修の中止やグループワークの機会減少により「実践的な研修ができない」「コミュニケーション不足」「新入社員のモチベーションが上がらない」といった課題も浮き彫りとなっており、今後“オンラインでいかに集合研修と同等の成果を出すか”は多くの企業にとって重要な経営課題となっています。
アンケートでは、2021年の新入社員研修の詳しい実施状況や近年の新入社員研修にみられる変化、今年の新入社員の採用数と会社が求める人材像なども明らかとなっており、今後の展望も含め全89ページの報告書で詳しく伝えています。
【本調査結果に見るポイント】
- 仕事の進め方、コンプライアンス、企業理念、商品知識、情報セキュリティ――3年前より研修内容が増加!
入社前から研修しないと間に合わない?! - 「eラーニング導入率」3年前からほぼ倍増で72%!
サービス・小売・製造業などで高い導入率、新入社員研修における使い方とは。 - 8割が新入社員研修の変化を実感。
「座学中心から実践的・能動的プログラムへのシフト」を目指すもコロナ禍で思うように実施できず。 - 「実践的な研修ができない」「コミュニケーション不足」「モチベーション低下」
92%が抱える新入社員研修の課題と今後の展望
アンケート調査概要
調査目的 | 2021年度の新入社員研修の実施状況を調査し、 2018年に実施した同調査結果と比較することで傾向と課題を把握する |
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調査期間 | 2021年6月11日(金)~6月14日(月) |
調査方法 | Webアンケート方式 |
調査地区 | 全国 |
調査対象 | 従業員数100名以上の企業で新入社員研修を実施している人事・研修担当者 |
有効回答 | 100 |