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長引く新型コロナウイルス感染症対策の一環として、遠隔授業やオンライン授業を導入する学校・スクールが増えています。語学スクールでは以前から、自宅のパソコンやタブレット端末でマンツーマンレッスンを受けられる“オンライン英会話”というサービスがありましたが、最近では通学制のスクールでもオンラインレッスンの導入が進んでいるようです。
そこで気になるのが、英語はオンライン授業or対面授業どちらで学ぶのが効果的なのか?ということです。
このページではオンライン授業と対面授業、それぞれのメリットやデメリット、使い分けのヒント等をご紹介できればと思います。
まず英語をオンラインで学ぶ場合のメリット、デメリットについてご紹介します。
オンライン授業の場合、自宅にいながらレッスンを受けることができます。通学不要ですぐにレッスンを始められるので、忙しい社会人や学生、送り迎えをしなければならないお子さまにもぴったりです。また、一般的な英会話スクールは決まった曜日や時間に通う必要がありますが、オンライン授業は早朝や夜遅くなど時間設定が広くとられていて、その中から好きな時間を選べるところがほとんど。自分の都合にあわせて受講できるので毎日でも受けられ継続しやすいのが特長です。語学学習において継続はとても大切ですから、毎日でも続けやすい点は大きなメリットと言えるでしょう。
英語をオンラインで学ぶ最大の魅力は、なんといっても手ごろな受講料です。どのくらい手ごろかというと、通学タイプの英会話スクールのレッスン1回分の受講料で、オンライン英会話なら1ヶ月間何度でもレッスンを受けられる位の違いがあります。オンライン授業は対面授業のように駅近の立地や教室が必要ありませんし、講師も自宅等からレッスンを行うことができるなど効率化が図られているため、その分受講料が安く設定されているのです。ちなみに、オンライン授業は基本的にマンツーマンレッスンがメインのため、グループレッスンのように「あまり話せなかった……」ということもなく、発話の時間もたくさんとれます。手頃な受講料でたくさんレッスンを受けて早く上達したいという方はオンライン授業がおすすめです。
対面授業の場合、受講者のレベルに応じて担当講師が決められているのが一般的ですが、オンライン英会話の場合は自分で空いている講師を選んで予約することができます。なかでも人気は海外に住む外国人講師。日本にいながら海外の講師から直接指導を受けられるというのはオンラインならではのメリットです。さらに最近ではAIがスピーキングやライティングを判定してくれる“AI先生”なるサービスも多数登場しています。AI先生の利点は、初心者でも恥ずかしくないところ。英語に自信がないと思ったように会話ができなかったりしますが、コンピュータ相手だと照れがなく発話や発音ができる傾向にあります。人目を気にせず学びたい方にも向いています。
英語のオンライン授業を受けるにはレッスン環境を整える必要があります。具体的には、パソコンやタブレットなどの端末、そしてインターネット環境です。スマホでも受講することはできますが、画面が大きいタブレットやパソコンの方が講師の表情や教材が見やすく学習効率もアップします。ネット環境については、スムーズにビデオ通話をするためにWi-Fi環境が望ましいです。さらにヘッドセットマイクがあればより会話に集中することができるでしょう。こうしたレッスン環境がない方にとってはひと通りそろえる必要があるため負担になってしまう可能性があります。
オンライン授業はいつでも気軽にレッスンを受けられる点がメリットですが、同時に強制力がないため挫折しやすい環境とも言えます。間が空いてしまうと億劫になりレッスン予約をしないままフェードアウトしてしまうという危険性も。とくにマンツーマンレッスンの場合、ほかの受講者と知り合う機会がほとんどないため、仲間と刺激し合って共に学ぶということができません。目的意識があり自主的に学習できる人にとっては良いツールですが、1人ではモチベーションの維持が難しいと感じる方は注意が必要です。
リアルなコミュニケーションの場面では、相手の目線や表情、身振り手振りなどが言葉と同じくらい重要です。そのため、常に静かな環境で相手(講師)の発言だけに集中するオンライン英会話はややリアリティに欠ける側面があります。たとえビデオ通話でレッスンを受けたとしても、マイク越し、カメラ越しに聞こえてくる英語と、実際に相手と対面しながらのリアルな英会話ではやはり感覚が異なるものです。オンライン授業はとても便利なサービスですが、あくまで「オンライン」での会話だという点には留意しておく必要があるでしょう。
ネット上で提供可能なオンライン授業は、学習者だけでなくスクール側にとっても教室運営費のコスト削減や効率化といったメリットをもたらします。教室を持たない英語教育事業の展開も可能になりますし、オンライン教材やAIサービスを利用すれば発音の正誤判定や問題採点の自動化も実現できます。病気やケガで教室に通えない人、悪天候で教室に来られない人にもレッスンを提供することができますし、災害や感染症拡大などの緊急時でも学びを提供できるため、結果的に受講者層の拡大につながる可能性もあります。
eラーニング戦略研究所が2022年1月に行ったアンケート調査によるとオンライン授業を導入している語学スクールのうち58.3%が「コロナ禍でもスクール事業を継続できた」、20.8%が「新しい受講者の獲得につながった」と回答している。
一方、オンライン授業を導入していない語学スクールでは「新規入学者数が減少した」「新しい顧客が入会しない」など受講者減少傾向が見られた。オンライン授業の導入率は、「資格スクール」86.5%、「IT系スクール」78.3%に続き、「語学スクール」72.7%。コロナ禍での導入が多いことが読み取れる。
出典:eラーニング戦略研究所『コロナ禍におけるスクールのオンライン授業に関する調査報告書』
https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/26096/ (2022年3月30日参照)
一方、デメリットとしてはどんなことが考えられるでしょうか? まず、オンライン授業を提供するためには撮影機材や配信システムなどの整備が必要となりますが、そのための初期費用はどうしてもかかってしまいます。また、対面授業では講師が生徒の表情や反応を見ながらレッスンを進めることができましたが、オンライン授業では受講者の反応がわかりにくいという課題があります。そのためオンライン授業を導入するスクールでは、オンラインに特化したレッスンの進め方や講師のスキルなど、より効果的にオンライン授業を提供していくための取り組みが求められています。 オンライン授業はいつでも気軽にレッスンを受けられる点がメリットですが、同時に強制力がないため挫折しやすい環境とも言えます。間が空いてしまうと億劫になりレッスン予約をしないままフェードアウトしてしまうという危険性も。とくにマンツーマンレッスンの場合、ほかの受講者と知り合う機会がほとんどないため、仲間と刺激し合って共に学ぶということができません。目的意識があり自主的に学習できる人にとっては良いツールですが、1人ではモチベーションの維持が難しいと感じる方は注意が必要です。
次に対面授業のメリット・デメリットを見てみましょう。
対面授業は授業を受けるためにスクールまで通学しなければなりませんが、その通学時間やスクールの非日常的な環境がスイッチとなり、学習にメリハリがつく効果が期待できます。自宅ではオンとオフの切り替えがうまくできないという方や在宅ワークが苦手な人は、対面授業の方が学習に集中できるかもしれません。
英会話を学ぶ場合、相手の表情や目線、ジェスチャーをしっかりと見ながら話せる対面式の方がよりリアルな会話を学べる可能性があります。お互いの会話の“間”まできちんと伝えられるのは対面授業ならではのメリットと言えるでしょう。ビジネス英語を学びたいといった具体的な目的がある場合にも、プレゼンや商談など本番に近い形で実践的に学ぶことができます。単なる会話練習の場としてではなく、実践力を磨きたいという方は対面授業を検討してみてもよいかもしれません。
オンライン授業では多くの場合、講師と自分とのマンツーマンレッスンのため、なかなか他の受講者と触れ合う機会がありません。一方、英会話スクールに通学する場合、グループレッスンを受講すれば自然と自分と同じように英語を学ぶ仲間と知り合うことができます。お互いに刺激を与え合える仲間の存在は意欲を高め学習を継続するための支えとなってくれるでしょう。また、グループワークやロールプレイングを実施しやすいという意味では上記の実践力アップにもつながります。
対面で授業を受けるにはスクールまで通学をしなければなりませんが、忙しい人、近くに教室がない人にとってはこの通学が大きな負担となります。時間だけでなく、交通費の負担も考慮する必要があります。また、台風や大雪などの悪天候時やコロナのような感染症流行時にはスクールに通うこと自体が難しくなる場合も。対面授業だけに頼ると不測の事態に対応できないリスクが考えられます。忙しい人にとっては何度か授業を休んでしまうと次から行きづらくなり、いろいろな理由をつけて通わなくなってしまうという可能性も考えられます。
英会話スクールに通学する場合、レベルに応じてレッスンの曜日や時間が決まっていることが一般的です。そのため、受講スケジュールを自分で選ぶことはできず、スクールに合わせる必要があります。社会人ならば夜遅い時間など、ある程度考慮してクラス設定がされてはいますが、担任の講師も決まっていて選べないなど、オンライン授業と比べると自由度は低くなります。
対面授業はオンライン授業と比べて受講料が高くなります。英会話スクールの教室は駅ビルなど通学に便利な立地に構えられていることが多いため、その分賃料などのコストがかかっているためです。講師が通勤するための交通費などもオンライン授業にはないコストです。オンライン授業と同じマンツーマンレッスンを受講しようとすると受講料はさらに高くなります。
スクール運営者や講師にとっての対面授業のメリットは、なんといっても顔を突き合わせて丁寧に指導することができる点でしょう。とくに担任制の場合は、段階的にスキルアップしていく生徒さんの成長を見ることができますし、その都度適切な指導や声掛けを行うことが可能です。 一方、デメリットとしては、教室授業である以上、通ってもらえる範囲に限界があるため遠方の人にはなかなか通学してもらえないということが挙げられます。また、コロナのような感染症流行時にはスクールに通うこと自体が敬遠される傾向があります。安価で便利なオンライン授業が増加しているなか、対面ならではのサービスや価値を提供できるかどうか、スクール側にも求められています。
オンライン授業には、リアルタイムでレッスンが受けられる「ライブ配信」と、録画したレッスンを受講する「オンデマンド配信」の2種類があります。
ライブ配信とは、授業やレッスンをリアルタイムで配信する方法です。Web会議システムやウェビナーツールなどを利用し配信時間を決めて開催、受講者は決められた時間にネットにつなぎ、レッスンに参加します。オンライン授業に多いマンツーマンレッスンはこちらのライブ配信形式で実施されています。
ライブ配信のメリットは、対面授業と同じような英会話レッスンが実施できる点です。お互いの顔を見ながら、あるいは教材などを画面に写しそれを見ながら効果的なレッスンを行うことができます。リアルタイム授業なので、受講者も質問などがしやすく、双方向的にコミュニケーションを取りながら授業を展開します。
こうした双方向性の授業は、受講者の満足度が高い傾向があります。
オンデマンド配信とは、あらかじめ作成しておいた授業動画や教材を配信する方法です。こちらはライブ配信とは違いリアルタイムの授業ではないため、受講者は好きな時間に視聴することができます。たとえば、英検などの資格試験前に直前対策講座を行い、その様子を録画してオンデマンド配信すれば、受講者は自分の都合のいい時間に何度でも視聴して理解を深めることができます。テストなどのコンテンツを配信することもできます。
スクール側のメリットとしては、目的に合わせてコンテンツを事前に作り込むことができるという点があります。基本的には授業やレッスンの目的に合わせて配信方法を選択しますが、ライブ配信とオンデマンド配信を併用することで効果を上げている例も多くあります。
デジタル・ナレッジのLMS『KnowledgeDeliver』には、Zoomなどで実施するオンラインレッスンをLMSの中に「教科単元」として設定できる機能が搭載されています。これによりオンラインレッスンの参加状況がLMSで一元管理可能となり、スクールはオンライン・対面の両方を統合管理した体系的な英語教育の提供が実現可能となります。また、受講者はZoom等に別途つなぐ必要がなく、LMS上からシームレスにオンラインレッスンを受けられ便利です。 ほかにも、現在お使いのサービスとLMSを連携させるなど様々なカスタマイズにも対応可能で、高品質なオンライン教育の実現をサポートしております。
ここまで英語をオンライン授業で学ぶ場合と対面で学ぶ場合の、それぞれのメリット・デメリット、使い分けなどを解説してまいりました。通学不要で継続しやすくしかも受講料も安価なオンライン授業は、英語を学びたい学習者にとっては多くのメリットがあることがお分かりいただけたと思います。今後も多くの場面での活用が期待されるオンライン授業。対面授業と組み合わせたハイブリッドラーニングも注目される今、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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