中央出版株式会社
児童向け語学検定をオンライン化!ペーパーテストを忠実に再現、スマホ受験できるCBT開発

中央出版が提供する「TECS検定」は年間受験者数約8万人、現在までにのべ119万人が受験されている小学生向け英語検定です。長年ペーパーテストを実施してきましたが2022年秋、すべての級のオンライン化を実現しました。同社初となる検定のオンライン化、しかも子ども向けということでさまざまな苦労があった今回のCBT開発。担当の西岡さまにオンライン化にふみ切った背景から苦労した点、成功のポイントまで詳しくお聞きしました。

中央出版株式会社
編集部 西岡由貴様

※一時的にマスクを外して撮影しております。

お客様のニーズ

  • ペーパー検定をオンライン化したい

オンライン化にあたって重視したポイント

  • スマホで受験できる
  • ペーパーテストを受けていたお子さんが違和感なく受験できる
  • タップしたら回答できるなど直感的でわかりやすい操作

導入後の成果

  • トライアル実施から1年半でTECS検定の5~1級をすべてオンライン化。
  • 「スマホ受験」「ペーパーテストとギャップなく受験できる」「直感的でわかりやすい操作」の3点を押さえたオンライン検定を実現。
  • コロナ禍で減少した受験者数がオンライン化で回復、さらに受講者増。保護者アンケートでも高評価を得る。


なぜ検定のオンライン化が必要だったのか

はじめにTECS検定のご紹介をお願いいたします。

西岡様:TECS検定(Test of English Communication Skills for Preteens)は英語でのコミュニケーション能力を測る児童向けの検定試験です。小学1年生~6年生を対象に5級~1級を実施しており、年間受験者数は約8万人、現在までにのべ119万人の方にお申込みいただいています。


長年ペーパーテストを実施されていたTECS検定

そんなTECS検定の運営にどんな課題がありましたか?

西岡様:弊社が運営する子ども英会話教室「PEPPY KIDS CLUB(*1)」で年2回検定を実施していましたが、検定日が毎回1日のみ、日曜日の設定だったんです。そのため、習い事等とかぶってしまい、受けたくてもなかなか受けられないというお子さんが結構いらっしゃることが課題となっていました。

(*1)子ども英会話教室「PEPPY KIDS CLUB」……1993年設立、今年で創業30年。全国46都道府県、約1400教室を展開。12万人の子どもたちが楽しく英語を学んでいる。
https://www.peppy-kids.com/
本格的にオンライン化にふみ切ったきっかけは?

西岡様:以前からDX化を考えていましたが、着手できていないうちにコロナ禍になってしまったんです。従来のように教室に集まることが難しくなってしまった中で、学びを止めない、TECS検定を止めないようにしなければと本格的に検討を始めました。

実はかなりタイトだったトライアル開発

オンライン化にあたってまずは何から始められましたか?

西岡様:いきなりお子さんにオンライン検定を受けてもらうのはリスクがありますので、まずは全国の「PEPPY KIDS CLUB」の講師向けにトライアルを行なうことにしました。オンライン検定を浸透させるためには現場の先生方の理解が必須ですし、また、トライアル後に先生方からご意見をいただいてより良いオンライン検定を作っていきたいという目的もありました。

TECS検定5級~1級のうち、5級は小学校低学年層が受験する級です。そのため、一番小さいお子さんが無理なく回答できるのであればそれ以上の級は難なく実施できるだろうと考え、まずは5級に絞ったトライアルを実施しました。

弊社にご相談をいただいたのはこの頃でしょうか。

西岡様:そうですね。デジタル・ナレッジさんは以前、グループ企業のシステムを立ち上げていただいた経緯があり、今回ご相談しました。一からの開発ではなく既存のLMSを利用すればより効率的にオンライン化できると考え、スピード感、拡張性などを重視してLMSの選定をすすめていました。

弊社担当者からはどのようなお話をさせていただきましたか?

西岡様:私たちとしても検定のオンライン化は初めてで具体的なイメージもできておらず、かなりふわっとした状態でご相談したんです。ですが、TECS検定というものを本当によくご理解いただき、「この場合はこうなります」など複数のパターンをご提案いただき、完成イメージが具体的になりました。

最終的な採用の決め手はなんでしたか?

西岡様:複数社と相談をすすめていく中で、こちらがやりたいこと、オンライン化の締め切りやスケジュール感、機能の部分(カンニング防止など)をご相談したとき、弊社の要望に全てマッチしたのが御社だったので、依頼することにきめました。

スケジュールはどれくらいタイトだったのでしょうか。

西岡様:「5月にトライアルをしたいです!」とお伝えしたのが3月中旬でしたからなかなかタイトだったと思います(笑)。お陰さまで2021年5月、無事トライアルを実施することができました。

重視した3つのポイントと苦労したこと

既存の検定をオンライン化するにあたってどんな点を重視されましたか?

西岡様:コンテンツ自体は揃っていましたので、どちらかというとデジタルでどう見せるかに重きをおいた開発でしたが、その中でもとくに重視したポイントは3つです。

1つめはスマホファースト。最近では級が上がるにつれ大きい画面の方がいいよね、とタブレットやパソコンも推奨していますが、当初は子どもたちが操作に慣れているスマホで受験ができることを目指しました。

2つめは従来のペーパーテストを受験しているお子さんが違和感なく受験できること。そのためにペーパーテストの仕様をオンラインでも忠実に再現していただきました。

3つめは直感的な操作で回答ができること。タッチしたら回答ができるなど、子どもたちが直感的に操作できるようにというのが主にこだわったポイントです。

実際の開発ではどんな点が難しかったですか?

西岡様:スマホファーストでとお願いしましたが、画面がかなり小さくなりますので、紙仕様の試験をスマホ上にどう表現・表示するか、レイアウトをどうするかはかなりご相談しましたし、非常に苦労した部分です。
また、検定には特殊な操作といいますか、線を引いて回答する問題があるんですね。それを子どもたちが本当にできるのかというお声を講師からいただいたので、御社に相談させていただき「こうしたらいかがですか」とご提案いただいた形で改修をしていきました。

子どもたちはCDの音声を聞いてイラストを選択したり(右下の〇を塗りつぶす)、線を結んだりして回答する。
鉛筆で塗りつぶしていた部分も画面をタップするだけで選択可能に。画面をなぞって線を引く回答も直感的に操作できる。
既存のコンテンツをデジタル上でどう表現するか、できることがたくさんある分、難しさもありますよね。

西岡様:そうなんです。問題をタップしたら答えが見られるなど、オンラインだからこそできることもたくさんありますが、それをどこまで取り入れるのが子どもたちにとって一番良いのか?ということは、すごく難しいですし悩んだところでした。

ほかにも苦労した点はありましたか?

西岡様:TECS検定はリスニング中心ですが、3級~1級でライティングの問題や長文読解が入ってくるんですね。それをどういう形で表現するか、時間をかけてご相談しました。何回も修正していただいて申し訳なかったんですが、力を入れてやったところになります。

すべての級のオンライン化を達成!成功の秘訣は

トライアルや改善を経て、実際のオンライン化はどう進んでいきましたか。

西岡様:2021年5月に講師向けトライアルを実施し、その結果を受けて改善したものを7月に再度講師の先生方に受けていただきました。
そして2021年11月、トライアルを行った5級のみを本格的にオンライン化しました。これは紙とオンラインを選べますとご案内し、希望された方向けにオンライン検定を行いました。
翌2022年6月に3級と4級も加え、5~3級までのオンライン検定を実施、そして2022年11月、5~1級すべての級をオンライン化して実施することができました。

トライアル実施から1年半で全ての級のオンライン化を完了されたわけですね。

西岡様:はい、段階を踏んでオンライン化ができました。

今回のオンライン化でもっとも評価されている点は何ですか。

西岡様:なかなか着手できていなかったオンライン化を実現することができた点もそうですが、やはり子どもたちに受験機会を多く提供できたこと、今まで受験できなかった方たちに受験をしてもらえるようになったことが一番良かったと思います。あとは、ペーパー検定では1日しか受験日がありませんでしたが、オンラインの場合は実施期間内(1週間)であれば自分の好きなタイミングで夜でも朝でも昼でもお好きなときに受けていただけるので、その点もよかったと思います。

実際に受験された方、保護者の皆さんの反応はいかがですか。

西岡様:以前に比べて学校などでもオンラインの媒体に触れる機会が多くなったのか、オンラインを待っていらっしゃるといいますか、「英検の練習になった」「自宅受験だと子どもの成長具合を見られて良かった」など好意的なお声を多数いただいています。

検定のオンライン化を成功させるポイントは何だと思われますか?

西岡様:「受験者目線で作る」ことでしょうか。この件に限らず何か新しいことをしようと思ったとき、いかにユーザーに周知徹底を図るか、現場のスタッフにちゃんと説明できるように理解してもらうかが重要になってくると思います。

TECS検定の場合、1000以上の教室で受験者数も多数ですからその分大変だったかと思います。

西岡様:1000以上の教室のすべての講師、受講者に等しく伝えて動いていただくというのは、やはり難しいんですね。受け取り方は1人1人違いますから、うまく伝わらないと結局うまく運営できなくなってしまいます。そういった意味では紙仕様を忠実に再現したのもそうですが、操作方法やオンライン検定自体の周知について、「ここまで言う?」みたいなところまで丁寧に説明することが、TECS検定のオンライン化においてはポイントだったのかなと思います。

受験者向けの説明動画。操作方法や受験前の注意事項についてわかりやすく伝えている。

目指すは完全DX化、他事業展開も視野に

導入から現在に至るまで弊社担当者の対応はいかがでしたか。

西岡様:システムに関して知識があまりないままお願いしてしまったこともあり、無理なお願いをすることも多々ありましたが、快く「こうしたらどうですか」と提案してくださいました。お願いしていることがどうなるのかイメージがわかない部分も多かったのですが、「それを表現するとなるとこういうことが必要ですよ」など細かく丁寧にご提案してくださって。助けて頂いてばかりでした。

TECS検定について今後の取り組みの方向性は?

西岡様:すべての級のオンライン化を完了できましたので、ここからはどのようにしてより多くの子どもたちにオンライン版を受験していただくかが目標です。ライティングやリーディングなどまだまだ改善の余地がある問題について、直近の2022年11月の実施結果を振り返りながらご相談し、さらに改善していきたいです。ゆくゆくはなりすまし防止やカンニング対策なども検討していければと思っています。

改めて今後の抱負をお聞かせください。

西岡様:弊社ではほかにも教育サービス事業や学校事業を展開していますが、今回TECS検定を先陣切ってオンライン化したことでノウハウを得ることができましたので、それを他事業部に活用し、既存コンテンツのオンライン化をすすめていければと考えています。
今は従来の方法とオンラインとが併用なので両方に対応しなければならず、現場として効率化ができているかと言われれば正直まだまだですが、最終的には完全DX化により運営効率化や経費節減の実現も目指していきたいですね。



ご利用いただいた製品・サービス

お客様のサイト

https://www.chuoh.co.jp/

お客様情報

名称 中央出版株式会社
創立 1972年
設立 1979年
本社所在地 愛知県名古屋市名東区一社四丁目165

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