ここからは特定分野に関わらない基本概念や、教育ビッグデータにより実現できる世界観を紹介します。
教材評価
教育サービスとして提供される教材は、受講者のフィードバックを受けて精査され、よりわかりやすい教材にブラッシュアップする必要があります。
この受講者からのフィードバックをより本質的に行うために、教材学習の結果から採取される様々な履歴を分析し、その教材の傾向や改善ポイントを導き出すことができます。例えばテストの設問別得点分布を分析すると、そのテストの難易度やそのテストで問われている関連教材のわかりやすさが浮かび上がってくるでしょう。
また、多くの人がつまずいている箇所の傾向を見ることで、陥りやすいポイントを明らかにすることもできます。ここで得られた気づきをもとに教材の改善に結びつけることができるでしょう。
図13:教材評価の仕組み
モチベーション維持
学習を継続するには受講者のモチベーションを維持し、学習に向かってもらうことが不可欠です。このモチベーション維持に教育ビッグデータを活用し、より精度を高めることも可能です。
受講者の学習履歴・活動履歴によるクラスタリングを行い、学習スタイル別に分類し、その学習スタイルに適切な内容・タイミングのメンタリングを行うことできめ細かいメンタリングサービスを提供することができ、モチベーション維持に寄与します。
図14:学習スタイルに適応したメンタリング
バッジ・修了証
学習終了した証としてバッジや修了証を発行することは、受講者への学習修了への動機付けだけでなく、スキルを評価し可視化することにも役立ちます。
前段の「オムニチャネル学習」で紹介したように e ラーニングの学習結果のみを終了条件とするわけにはいかないこともあり様々なアプリケーション・サービスの履歴をもとにバッジの付与条件を決定する必要があります。
それぞれのアプリケーション・サービスを組み合わせバッジ付与条件を決めておきます。各アプリケーション・サービスの学習履歴はLRS に一元管理され、この履歴を参照することで複合的な学習結果によるバッジを付与することができるようになります。
図15:バッジの発行の仕組み