英語4技能教育とAI活用に関する調査報告書

eラーニング戦略研究所は2017年11月、小・中・高校、塾・予備校で英語教育に関わる教員・講師100名を対象に、英語4技能教育の現状と課題、英語教育におけるAI活用についてのアンケート調査を実施しました。

その結果、英語4技能すべてに対応した授業を実施している学校は45%で過半数に満たないことが明らかとなりました。学校別にみると、中学校では英語4技能すべてへの取り組みが進んでいる一方、公立高校教員、受験対策塾・予備校講師の3分の1が「実施予定はない(4技能すべてには未対応)」「わからない」と答えるなど、高校や進学塾での4技能対策は意外にも進んでいない印象です。

また、教員が最も力を入れたい分野は「スピーキング」でしたが、実際に実施されている授業は「リーディング」80%、「ライティング」79%、「リスニング」74%と続き、「スピーキング」は最も少ない59%でした。とくに高校や進学塾での「スピーキング」対策が弱く、こうした傾向には現行の大学入試の影響が考えられます。

とはいえ2020年の大学入試改革を目前に控え、英語4技能対策もいよいよ待ったなしの状況です。そこで気になるのが英語4技能対策の課題です。アンケートの結果、「教員のスキル不足」が74%とほかの課題を大きく引き離して最多であることが分かりました。さらには「適切な教材・コンテンツ不足」「生徒の学習時間が少ない」「教員の準備時間が足りない」「教員不足」「受験英語と実用英語のギャップ」「生徒の意欲が低い」など山積する課題が浮き彫りとなっています。

本アンケートではまた、近年注目されるAIをはじめとした最新技術を取り上げ、「スピーキング・ライティング対策をAIで」など、これからの英語教育で求められる最新技術活用の在り方についても言及しています。


【アンケート結果にみるポイント】

  • 遅れる英語4技能対策、高校・進学塾の3分の1が「実施予定なし」「わからない」
  • 理想は「スピーキング」強化、現実は「リーディング」「ライティング」が主流
  • 最大の課題は「教員のスキル不足」、個人の裁量に委ねられている現状か
  • 「受験英語と実用英語のギャップ」「準備時間不足」「生徒の意欲低下」など山積する課題
  • 「スピーキング・ライティング対策をAIで」これからの英語教育で求められる最新技術活用の在り方とは

アンケート調査概要

調査目的 英語4技能教育の現状と課題、英語教育におけるAI活用に関する教員の意識を調査する。
調査期間 2017年11月1日(水)~11月6日(月)
調査方法 Webアンケート方式
調査地区 全国
調査対象 小・中・高校、塾・予備校で英語教育に関わっている教員・講師の方 100名

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