eラーニング戦略研究所は、全国の接客・観光サービスを提供する企業や行政の経営者、店長、教育担当者らを対象に、“日本人接客スタッフに対する外国語教育”を中心とした、インバウンド対策の現状と課題についてのアンケート調査を実施し、その結果をまとめた報告書を公開致しました。
アンケートの結果、接客スタッフに対する語学教育を「実施している/実施したことがある」は11%に留まり、インバウンド対策としての語学教育がそれほど実施されていない現状が明らかとなりました。実施されている教育内容としては「英語」84.6%、「中国語」69.2%、「韓国語」61.5%などとなっています。しかしながら、肝心の教育効果については評価が低く、8割以上が「いざ外国人を目の前にすると話せないスタッフが多い」と回答するなど、現状の教育に必ずしも満足していない状況が浮き彫りとなっています。また、外国語教育に踏み切れない理由として「スタッフ一人ひとりに合った教育が難しい」という意見も見られました。
今回のアンケートは対象者の地域や事業規模を問わず実施したため、「田舎なので外国人が来ない(四国/小売)」などインバウンド対策自体を不要と捉える人が少なくありませんでした。しかしながら昨今、SNSの普及を背景とした個人のメディア化やリピーター客の増加などの影響で、インバウンドの定番エリアから外れた地方が新しい観光地として注目を集めつつあります。地方ならではの文化や歴史、地域に根差したよりディープな体験が求められる傾向もあり、その土地ごとの魅力を発信できる“生きた言語”の習得は、今後のインバウンド対策で欠かせない要素となり得ます。さらには、スタッフ一人ひとり、あるいは地域ごとなど個々に最適化された語学教育の提供という観点からも、従来の画一的な教育手法ではない、テクノロジーを活用した語学教育のニーズが高まる可能性も考えられます。今回のアンケートでも、今注目されるAIを使った語学教育サービスについて 「応用できる可能性が高い(関東/飲食)」など4人に1人が関心を寄せています。
アンケートではそのほか、実施されている外国語教育の詳細やインバウンド対策に関する課題などが明らかとなっています。2018年に訪日外国人旅行者数3,000万人を突破し、2020年に4,000万人、2030年には6,000万人のインバウンドが国の目標値として掲げられるなか、待ったなしのインバウンド対策がどのように進展するのか、今後の展開を読み解くうえで興味深い内容となっています。
- 「インバウンド対策として外国語教育を実施」は約1割に留まる
- 84.7%が「いざとなると話せない」 従来の外国語教育、その効果に赤信号か
- 「効果がない」「コストがかかる」「個々に合った教育が難しい」外国語教育に踏み切れない理由とは
- 4人に1人が「AIを使った語学教育に関心」
- 言葉の壁をなくし「接客レベルの向上」「時間短縮」「売上増加」の実現へ期待
アンケート調査概要
調査目的 | 日本人接客スタッフへの語学教育を中心とした、インバウンド対策の現状と課題を調査する。 |
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調査期間 | 2018年11月29日(木)~12月3日(月) |
調査方法 | Webアンケート方式 |
調査地区 | 全国 |
調査対象 | 接客・観光サービスを提供する企業・行政・地域の経営者、役員、店長マネージャー、 教育ご担当者100名 |