工学博士 オープンラーニングセンター長 篠原正典様
お客様のニーズ
- 対面+オンラインで受講できる「ハイフレックス型講座」を提供したい
- 決済機能を有したシステムが必要
- ホール設備・配信環境も整備したい
導入サービス
- KnowledgeDeliver
- 【オプション】DKクラウド、Video+オプション、EC連携カスタマイズ(開発)、Zoomウェビナー連携カスタマイズ(開発)、配信環境構築サービス
佛教大学 オープンラーニングセンター設立の歴史
- 1984年 前身となる「四条センター」開設・生涯学習講座の提供開始
- 2018年 四条センター開設35周年・のべ受講者数100万人突破
- 2021年4月「オープンラーニングセンター」開設
- 2021年10月 ハイフレックス型講座の提供開始
- 2022年4月 サブスクリプション(定額利用)を導入
【目次】
四条センターからオープンラーニングセンターへ
以前は四条センターで生涯学習講座を提供されていたんですね。
佛教大学の通信教育課程は「大学の知を一般に公開しよう」という目的で約60年前に作られたもので、国内でも歴史が古いんです。その後、もっと幅広い人に提供できる場を、と設立されたのが四条センターです。映画館のように気軽に参加できる場ということで京都市の中心、四条烏丸に1984年に開設されて以来、多くの方にご利用いただいてきました。
それが今回「オープンラーニングセンター」へと生まれ変わりました。きっかけは何でしたか?
ネットを使って講座を提供できないか、というのが一番大きな動機でした。四条センターは地の利がよく地元の人にとっては便利でしたが、ネット環境がなかったんですね。そのため、2019年より、受講者層を広げるためのオンライン化を検討していました。2020年にコロナが流行し、四条センターで対面授業ができなくなってしまったこともあり、2020年後半から、このオープンラーニングセンターで試験的にインターネットを使った講座配信を始めました。
オープンラーニングセンターで実現したかったこと
オープンラーニングセンター(以下、O.L.C.)で実現したかったことは何でしたか?
受講者層の拡大です。年齢層やいろいろな興味関心をもつ人の幅を広げたいということです。四条センターでは歴史や京都、文化といった講座が人気で受講者の年齢層も高めでしたが、今後はもっと若い人、仏教や文化以外の講座に興味のある方に、より幅広い講座を提供していきたいという思いがありました。ここ紫野のメインキャンパスには佛教大学がありますから、大学の教員が講座提供にも参加しやすくなるだろうという狙いもありました。
そのためにはどんな環境が必要でしたか?
対面授業ができ、且つその映像をインターネットで配信でき、さらに見逃し配信し、オンデマンドでも見られるようにする。そういった環境を実現できればと思っていました。
オンデマンド配信までやりたいというイメージは、最初からあったのでしょうか。
ありました。たとえば専門知識や資格等に関する講座の場合、オンデマンドの方がじっくり見られますよね。そういった講座についてはオンデマンドで提供しようということを初めから考えていました。
対面・ライブ配信・オンデマンド・見逃し配信まで。300講座が受け放題
ほかの生涯学習サービスにはないO.L.C.の特長は何でしょうか。
対面、同時双方向(Zoom配信)、オンデマンド、これらすべてを揃えて講座を提供しようとしたのは恐らく国内初か、少なくとも比較的最初の方だったんじゃないかなと思います。
受講者が講座によって、あるいはそのときの都合にあわせて学び方を選べるのは大きなメリットですね。
さらに最大の特徴は「サブスク」です。1つの講座を受講するのにビジター会員は2,000円、正会員は1,000円かかりますが、定額会員なら12,000円で半年間すべての講座が受け放題になります。半年間に約300講座が提供されていますから、そのすべてが受講し放題です。おそらくこれは大学が提供する生涯学習では初ではないかと思います。
なぜサブスク制を導入されたのでしょうか?
四条センターの頃から複数の講座に参加される方は結構いらっしゃいましたので、そういった方のニーズに応えたかったのと、これまで仏教とか歴史だけに興味があった人も定額なら「他の講座もちょっと受けてみようか」となりますよね。まったく違う領域の講座を受けてもらって、これも面白いなという学びの広がりを感じていただければという思いがありました。
受講者数 約1.4倍増の見込み。全国、海外へ拡大中
ハイフレックス講座をスタートされ約1年が経ちました。現時点での成果はいかがでしょうか。
2022年前期(4月~9月)は約2万5000人に受けていただきました。後期も同じぐらいの方が参加して下されば年間5万人。四条センターのときは年間3万5000人位でしたから受講者数の伸びという点で手応えを感じています。
すごい伸びですね。オンライン受講は増えてきていますか?
増えてきていますね。今日の講座もインターネットと対面を合わせると200人を超えています。
今日は対面受講の方が30名以上いらっしゃいましたが、それ以外はオンラインで参加されているんですね。
8割の方がオンラインで受講されています。これがやはりインターネットのメリットですよね。四条センターでは対面受講だけでしたから定員にも限界がありました。これからもっと伸ばしていきたいですね。
私も聴講させて頂きましたが、皆さん大変熱心に受講されていて、充実感いっぱいの表情が印象的でした。
私も聞いたところでは、このためにわざわざ電気屋さんでパソコンをセッティングしてもらったという方もいらっしゃるようです。O.L.C.で学ぶということに対して非常に楽しさや生きがいを感じて頂いているのかなとうれしく思います。
知的好奇心を大いに刺激される内容でほかの講座も受けてみたくなった
受講した講座を再度見逃し配信で見ることもできますか?
はい。参加したけどちょっと見逃したな、もう少し見たいなというものは見逃し配信で見られるようになっています。「お地蔵さまを彫る」など一部の実技系講座は対面のみですが、それ以外は全て見逃し配信に対応しています。
まだスタートから1年経っていませんが、サブスク会員の利用率はどれ位ですか?
結構いらっしゃいますよ。今3割ぐらいでしょうか。10割を目指していきたいと思っています。
受講者層は以前は対面のみで地元の方が多かったのかなと思いますが、O.L.C.になってから変化は?
そうですね、全国から受講されています。受講者の約10%が関東圏の方ですね。まだ少数ですが海外の人もいらっしゃいます。これもやはりオンラインのメリットですよね。
受講者の声
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ハイフレックス講座に完全対応。1Fホール「妙響庵」のこだわりとは
ハイフレックス講座に対応した生涯学習センターは全国的にも珍しいですが、設備面でこだわられた点は?
講師によっては電子黒板の横で操作しながら説明する人、机の前で喋る人、いろんな方がいらっしゃるので、それに応じてカメラの切り替えができるようにしたいというのはありました。
それから私がもっともこだわったのは「音声」です。Zoom配信中、たとえばパソコンからちょっと離れて黒板に書くとなると教員の声が聞こえなくなってしまうんです。受講者にとっては音声が弱くなったり強くなったりすると非常に聞きづらい。ですから音声が一定になるようにとお願いして設計していただきました。
弊社ではLMSだけではなく1Fホール「妙響庵」の環境整備に関してもアドバイスさせて頂いたと聞いています。
いろんなアドバイスをいただきました。プロジェクタも多種多様なものを見せていただきましたし、スピーカーや電子黒板、スイッチャーの機材一式についてもご相談させていただきました。
オープンラーニングセンター 1階ホール「妙響庵(みょうこうあん)」
LMSだけでなく、配信設備や機材の完備により高品質なハイフレックス講座が実現可能となった
弊社にご依頼をいただくことになったきっかけは何でしたか?
既に佛教大学内でデジタル・ナレッジさんのサービスを使わせて頂いていたんです。メディア教材制作や通信教育のスタジオ構築などですね。それでO.L.C.を作る際に新たにお話を伺いたいとこちらからアクセスした形です。
たしかJMOOC、gaccoにもデジタル・ナレッジさん参画していらっしゃいますよね? O.L.C.が目指したのもまさにJMOOCのようなイメージだったので、それを実現してもらえたらとお声かけさせていただきました。
採用にあたっては他社さんのシステムと比較検討はされましたか?
しました。先ほど申し上げた内容を実現したいということと、システム面では決済機能についても経験をお持ちでしたので採用させていただきました。
心を豊かにしてくれる多彩な講座群
非常に多彩な講座もO.L.C.の魅力だと思います。四条センターのときより数は増えていますか。
増えていますね。せっかくこの紫野という地にありますので、大学の各学部の教員が登壇する「学部提供講座」も全学部から半期に1度は必ず開講しています。
大学教員から直接学べる点、また京都発というところも惹かれるポイントです。
おっしゃる通りで、やはり京都の文化とか歴史の講座は人気が高いですね。文学講座も根強い人気です。精神的に豊かになる講座を聞きたいというニーズがありますね。人気のある講座は繰り返し開講しますが、まったく同じ内容ではないんですよ。先生方が中身を少し変えながら話をしてくれますので、つねに新しい内容を学べます。
佛教大学が生涯学習を大切にされている根幹はどんなところにありますか。
おそらく仏教にあると思います。仏教にもいろいろな教えがありますが、それに対して自ら進んで学んでいかなければ求めるものを見つけることはできません。仏教の精神として「学ぶ」ということに非常に重きがおかれていると言えます。
そして「大学が持っている知」を大学の中にクローズしておくのではなく、社会貢献としてひろく提供するべきだというのが佛教大学に昔からある基本的な考え方です。それが生涯学習、通信教育につながっていますし、その中で知識欲を満たして自分の心を豊かにしたい、そういったニーズに応えるのがO.L.C.だと思っています。
社会のニーズに応える「学びの場」をもっと多くの方に届けたい
今後、どんな方々に講座を届けていきたいですか?
一つは専門知識を必要とする方に学び直しの講座を提供できないかということを今、進めています。佛教大学では教員免許や福祉・保健医療職の資格などが取得できますが、そういった免許資格を持つ方、あるいは仕事に就いている方々に対し、新しい情報や必要な知識の提供を目指しています。仏教や文化、歴史といった従来の領域はそのままに、新しい領域としてのチャレンジになります。
なるほど。冒頭にお話しされた「受講者層の拡大」にもつながってきますね。
そうですね。これまでの講座に加え、免許資格に関わる講座、キャリアアップ講座など新しい生涯学習講座を多角的に提供することで、生涯にわたって学ぼうとするすべての方に、いつからでも、いつまでも学び続けることができる生涯学習の場を提供していきたいと考えています。
その中でLMSはどのような役割を果たせそうですか?
生涯学習には2つのタイプがあると思います。1つは単位などを取得する通信教育課程、もう1つはO.L.C.が提供しているような、知識や教養を身につける生涯学習です。通信教育課程では学習管理が必要になりますね。どこまで学習が進んでいるか、テストは合格したかなど、まさにラーニングマネジメントシステムです。
一方O.L.C.では、学習管理というよりは受講者管理や講座決済といった目的のためにLMSを導入しましたが、今後はどれ位の年齢の方がどんな講座を受講しているか、見逃し配信を見ている人はどれ位いるか、そういったことを把握できるようにしたいという視点から学習管理システムを捉えています。
LMSは学習データの蓄積に長けていますし、データ分析をして講座開発に生かすといった使い方も可能です。
それはいいですね。ログは非常に重要ですから、その元となるデータを蓄積したいというのはあります。今後どういった機能を追加していけばいいのか、共に考えていきたいと思っています。
ご利用いただいた製品・サービス
- 【オプション】DKクラウド、Video+オプション、EC連携カスタマイズ(開発)、Zoomウェビナー連携カスタマイズ(開発)、配信環境構築サービス
お客様のサイト
お客様情報
名称 | 佛教大学 オープンラーニングセンター(O.L.C.) |
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設立 | 2021年4月 |
所在地 | 京都市北区紫野北花ノ坊町96 佛教大学 15号館南館 |