eラーニング戦略研究所は、看護師・准看護師100名を対象に研修に関する調査を実施しました。
その結果、施設によって研修実施率に差異が見られることが明らかとなりました。例えば「新人研修」の実施率は「病院」71%、「健診(検診)センター」66.7%ですが、「診療所」では15%に留まっています。また、「専門分野に特化した研修」の実施率は「健診(検診)センター」「訪問看護ステーション」が共に66.7%で、全体の33%を大きく上回りました。
看護職における研修の問題点としては「業務が忙しく研修の時間が取りにくい」が最多で63%、次いで「研修の評価方法が明確でない」28%、「教育担当者がいない」22%となりました。外部研修の受講率が6割を超えていること、その理由は「スキルアップのため」51.6%、「業務上必要に迫られて」43.5%が多いことから、仕事への意欲が高い看護師たちの姿がうかがえる一方、スキルアップのための受け皿が十分に整っていない現状が浮き彫りとなった形です。
アンケートによると、看護職における研修スタイルは集合研修やOJTが主流であり、eラーニング研修の導入率は20%と限定的ですが、4人に1人が「(導入されていないが)やってみたい」とeラーニング研修に期待を寄せています。eラーニングの特性を生かすことで、多くの看護師が感じている“忙しくて時間が取れない”“教育担当者がいない”“最新の専門知識がリアルタイムに反映されない”を解決できる可能性も高く、今後の動向が期待されます。
アンケート結果から見るポイント
- 「病院71%」「診療所15%」施設により研修実施率に差異
- 「研修は未実施」も3分の1、診療所・老人ホームほか小・中規模施設で顕著
- 外部研修の受講率62%、2人に1人が「自身のスキルアップ」目指す
- 最大の課題は「業務が忙しく研修の時間が取れない」63%
アンケート調査概要
- 調査目的 :看護職における研修の実態を調査する。
- 調査期間 :2015年3月27日(金)~3月31日(火)
- 調査方法 :Webアンケート方式
- 調査地区 :全国
- 調査対象 :看護師、准看護師 計100名