eラーニング戦略研究所は、病院に所属する看護師、准看護師 計100名を対象にeラーニング研修に関する調査を実施しました。
その結果、eラーニング研修を導入している病院は全体の17%に留まることが明らかとなりました。eラーニング研修で学べる内容は「医療安全」76.5%、「看護事例学習やケーススタディ」52.9%、「病院の規則・ルール」「医療機器の使い方・テクニック」「救急・災害医療」各35.3%となり、幅広いコンテンツが活用されているようです。また、eラーニング研修を受講する時間・場所は、「勤務時間内に病院で」58.8%、「勤務時間外に自宅で」41.2%となり、eラーニングの特性を生かして自宅で受講している看護師が相当数いることが明らかとなりました。
eラーニング研修の満足度は「満足」「やや満足」35.3%が「不満」「やや不満」5.9%を大きく上回っており、これらの結果からeラーニング研修の導入率は限定的ではあるものの、導入された病院ではまずまずの活用状況であると言えそうです。
一方、研修全体の課題としては「業務が忙しく研修の時間が取りにくい」49%、「最新の専門知識・技術がリアルタイムに反映されない」16%、「研修の評価方法が明確でない」12%が多い結果となりました。とくに、年代が上がるにつれ研修に関する悩みを抱える看護師が増えています。
アンケートでは、eラーニング研修が「導入予定」「導入されていない」と答えた人の71.1%が「導入されたら受講したい」と回答しています(複数回答)。
さらに、その受講意欲は年代が上がる程高まっており、研修に関する悩みを多く抱える年代とも合致していることから、
eラーニング研修がその課題解決の一助となる可能性も考えられます。次から次へと新しい治療法や技術、医療機器、薬などが登場し進化スピードの速い医療現場だからこそ、
eラーニングの特性を十分に生かした新しい人材育成の取り組みや普及が期待されます。
アンケート結果から見るポイント
- 「eラーニング研修が導入されている」17%、大規模病院では3分の1が導入済み
- 看護師の2人に1人が「自宅でeラーニング」、幅広い内容をeラーニングで学習か
- 「eラーニング研修を受講したい」71.1%、年代によって受講意欲に差
- 「質問機能」「動画を活用したわかりやすい教材」の需要高まる
- 研修全体の課題1位は「業務が忙しく研修の時間が取れない」「評価方法が不明確」(20代)、「教育者の能力不足」(50代)など異なる課題認識も
アンケート調査概要
- 調査目的 :看護師に対するeラーニング研修の実施状況を調査する。
- 調査期間 :2015年5月13日(水)~5月18日(月)
- 調査方法 :Webアンケート方式
- 調査地区 :全国
- 調査対象 :病院に所属する看護師、准看護師 計100名