西野学園は札幌市に本部があり、昭和40年4月に開園した「西野桜幼稚園」を母体とした医療・福祉・科学の5つの専門学校と2つの幼稚園から構成される学校法人。2005年4月より学内インフラとしてグループウェア型のeラーニングを導入されています。同校の情報化推進の取り組みについて、お話を伺いました。
eラーニング導入の背景と主要目的を教えてください。また数値的な目標などはありますでしょうか?
今回の看護通信課程で導入した背景には、様々な現場経験を持つ準看護師の方々に実際の医療現場で対処する基礎的スキルを持ってもらうために導入しました。対象者の年齢層が比較的高いので、まずはインターネット利用者のうち60%以上の方に利用して頂くことを目指しています。
システム導入までのプロセスはどのようなものだったのでしょうか。
まず現場でeラーニングを取り入れたいという要望があがり、2005年4月から基本設計を開始しました。LMS(ラーニングマネジメントシステム)の仕様やテストコンテンツ作成は同年7月のうちに完成していましたが、しばらく紆余曲折があり、最終的に以前から調べていたデジタル・ナレッジ社に声をかけ、2006年の4月からのサービス立ち上げに協力依頼しました。
導入されたシステムの選定理由をお聞かせください。また、導入前に不安だった点はどのようなものだったでしょうか?
システム導入にあたっては機能面で欲を言い出すときりがないので、ある程度の基準を満たしていればよいと考えました。ただ、サーバー等のハード管理をどうするかが課題でしたので、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)を利用することにより、ハード管理を軽減できる点が魅力でした。
また、コンテンツに関してどの程度の内容のものを何本くらい作成してゆけるか予測がつきにくく、コンテンツ作成の度に多額の費用がかかりすぎるのは困ると考えていました。その点、デジタル・ナレッジ社提供のLMSには簡単にコンテンツが作成できる機能が標準で装備されており、費用を抑えながらコンテンツを充実させていきたい導入側にとってメリットとなると考えました。
実際にASPを導入してみて予想外だった点などはありましたか?また、どのように対処されたのでしょうか。
学内にエンジニアを抱えてシステムを運用するということは現実的ではありません。システム運用面で技術的な心配のないASPを選択したことで、コンテンツ運用に集中できる点はプラスであったと考えています。予想外ということではないですが、やはり大変なのはコンテンツ制作だと受け止めています。アイディアは出てくるのですが、それをどのようにコンテンツとして表現していくかに腐心しています。最初はコンテンツ制作上の制約も理解しきれていない点もあって苦労しましたが、テンプレートを用意して原則としてそれにそって作成していくことで対処しました。
現在の運用体制を教えてください。
看護通信課程の職員が中心となって運用し、全体の管理を情報化推進プロジェクト担当者が行なっています。コンテンツは大まかなストーリーや素材は現場の職員が作成し、ビデオやナレーションの取り込みはデジタル・ナレッジ社と協力して行なっています。
どの程度の受講者がeラーニングを利用しているのですか?
現在、アクセス率としては、全体数の30%強の利用者です。今後、これを60%まで引き上げていきたいと考えています。
現在の御校においてeラーニングはどのように位置づけられておられるでしょうか?
教育を変えてゆく重要な要素であると位置づけています。また、eラーニングにより緻密な教育内容を提供していくこともできると考えています。学園が推進している「教育力」と「経営力」の両方を改革し向上させるものと捉えています。
今後の展望をお聞かせください。
まずは現在のコースを完成させ、次のステップとして国家試験の対策用のコンテンツを開発していくことを予定しています。
最後に、eラーニングの導入にあたって成功要因は何だとお考えかお聞かせください。
精神論に近い考え方かもしれませんが、可能性は広く大きいのでまずは常に前向きに取り組むことだと思います。また、立ち上げには必ず様々な問題が生じるので、良いパートナーとの協力関係が必要です。そして、eラーニングの活用の仕組みを常に意識して改善していくことでしょうか。コンテンツを常に発信していく作成力も重要な要因と考えます。
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お客様情報
名称 | 学校法人 西野学園 |
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設立 | 1968年 |
本社 | 北海道札幌市中央区北4条西19丁目1-3 |