皆さん、こんにちは。ヒゲです。
- CAI ・・・ Computer Aided Instruction / Computer Assisted Instrunction
コンピュータを用いて行う教育。概念/研究は1950年代~
コンピュータというツールができたから、これを使って何か学習に役立てられないか? という考えの下にさまざまな試作が行われてきました。単純なテストのドリルシステムからシミュレーション、推論システム、授業のライブラリ化など、さまざまな可能性が試されました。ちなみに、私が学生時代属した研究室は、2つの班に分かれていて、片方を「暗号班」もう片方を「CAI班」と言ってました。私は「CAI班」に属しており、当時は力学問題をPC上で解かせて、そこから学習者の弱点を推論し指導する、というシステムを研究しておりました。
言葉としてはCAIというものは今も残っています。
- CBT ・・・ Computer Based Training
コンピュータを使ったトレーニングという意味だが、狭義の意味ではCD-ROM教材をパソコンで実施(1990年代~)
インターネットに接続することは前提にしておらず、むしろオフラインで利用。当時、マルチメディアを活用したコンテンツ/ツールが各種リリースされました。教育関係のソフトをエデュテーメントとかいう言い方もしてました。
特にマッキントッシュの世界でこの流れは顕著で、各種タイトルやソフトがリリースされてました。
個人的には子供向けお絵かきソフト『キッドピクス コンパニオン』とか動く絵本の『おばあちゃんとぼくと』などが印象に残ってます。現在でも「オフラインで専用ソフトを使って学習」というニュアンスでCBTという言葉を使うことはあります。
ちなみに1990年の流行語大賞の新語金賞は「ファジィ」だそうです。
- WBT ・・・ Web Based Training
Webブラウザで学習。今のeラーニングの前身(1995年ごろ~)サーバに乗せられたシステムやデータベースを使ってコンテンツやページを表示し、それをクライアントのパソコンのブラウザで学習するという、今のeラーニングの原型です。
今はほとんどこの言葉は「eラーニング」に置き換わっています。
たまに官公庁さんなどで見かけるぐらいになりました。初期のWBTの企画にAICC(Aviation Industry Computer-Based Training Committee)というのがありました。これはアメリカの航空業界で利用するシステムを統一化して、会社の違いがあっても学習コンテンツ/システムを相互運用できるようにしようという規格です。もともとは1988年ごろ設立され、CBTの規格化を進めてましたが、1998年にWBTとしての規格もリリースされました。これは現在も使われるSCORMの元になったものです。
ちなみに、似たような言葉に「TBT(Technology Based Training)という言葉がありましたが、こちらはあまり普及しなかったように思います。
ちなみに、1995年の流行語に「インターネット」が上がってました。そういう時代だったのですね。
- eラーニング
1990年代後半~ (eラーニング元年:2000年といわれていた)前記のWBTとほぼ同じ意味ですが、言葉を差し替えただけという印象が少なくとも私にはあります。
IBMが「eビジネス」という言葉を1990年代後半に提唱して以降、”e”を頭につけた言葉は大流行しました。その流れでWBTもeラーニングという言葉になったのでしょう。この変遷、単に言葉が変わったというだけでなく、今まで特殊で専門的だったものから、一般の人が広く触れメリットを享受できるようになった、ということは評価に値すると思います。
ちなみにeラーニング元年として2000年を挙げることが多いです。
たしかにこの頃から徐々にeラーニングという言葉や概念が広まっていった感じがします。ちなみに2000年の流行語大賞は「IT革命」だそうです。なるほど。