※このブログを書いているのは、7月2日(月)の午後です。
さて、今夜は決戦の日! 強敵ベルギー相手に日本代表がどこまで自分たちらしい闘いができるのか、楽しみですね!
本田圭佑と同じ誕生日(もちろん年齢はちがう)で、岡田武史とは同じ名前の読み(もちろん本人ではない)の「研究員」岡田です。
さて、前回のポーランド戦では、終了間際の日本代表の戦い方が物議を醸しました。
何にでも当てはまりそうですが、ある見方があれば、別の見方もある。解釈や認知・認識には個人差があります。
今日はそんなお話から。
さて、この画像を見て、「何」だと思いますか?
パンダ?
ぬいぐるみ?
普通はこのように認識すると思います。
実際は、パンダのカタチをした「椅子」です。
僕が座ろうとすると、妻に「体重オーバー!!!」と叱られるので、オットマンとして利用しています。(汗)
ここで「~~として」という表現を使いましたが、ここが今日のポイントです。
人はある物を認識するときに、「~~として」認識します。
ある種の「関係性」が前提となっています。
例えば、ある人物を周囲の人に紹介する時にも、「新入社員として」「友人として」紹介するでしょうし、すれ違った人に関心を寄せる時も「イケメンとして」などの認識をしています。
この「~~として」という認識は、AI(人工知能)が学習していけるものもあれば、非常に難しいものがあります。
最近感動したのは、パンの種類を一瞬で見分ける「AIレジ」です。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1705/15/news081.html
メロンパンひとつとっても、毎日違ってくるものです。色、形。
また、パンを袋に入れてバーコードやQRコードを貼り付けてしまえばいいのかもしれませんが、これでは手間もかかります。
パンを裸のまま見て、「これは〇〇…180円。え~っと、これは△△だから150円」と、従来は店員さんは認識していました。
これを、AIでやってしまおう!というのです。
まず、様々な画像から、メロンパンのデータベースを作成します。そして実際にレジに置いたメロンパンが、データベース上のそれぞれのパンにどれほど特徴量が類似するのかを判定する、という仕組みなのでしょう。
つまり、AIは対象のパンを「メロンパンとして」認識したわけです。
一方、このような認識が上手くいかない(あるいは「難しい」)場合が考えられます。
例えば、最初のパンダの「椅子」。パンダであることは覚えることができるでしょう。
問題は、「椅子として」認識できるか。
先ほどのAIレジの場合は、トレーに載せられているものが「パン」であるというフレームが前提されていました。
でも、いざとなったら、人間はパンを「武器として」使うこともできます。(例えば、暴漢がいきなりパン屋に現れて、それを撃退するためにフランスパンで戦う。)
この創意工夫はAIには難しいかと思います。
理由は、「AIに身体がないから」です。
例えば、椅子も、4本脚の椅子もあれば、お風呂の椅子や丸太のような椅子もあります。
これらを人間が「椅子として」認識するのは、「座る」という身体的な動作に椅子が関連付けられるからでしょう。
(さきほどのフランスパンで戦う例では、「振り回す」という身体的動作にフランスパンが関連付けられた。)
このようなAIと人間のちがいの一つは、「身体」の有無です。
身体がないということは、動作や、「左右」などの位置関係の概念も異なってきます。
その状況で、人間にとって当たり前すぎることが、AIにとってはかなり難しいこと。それを知って、AIにできることをデザイン・設計すること。これらは、今後、AIが社会の中で活用される際に必要になってくるスキルでしょう。
先日、国立情報学研究所(https://www.nii.ac.jp/)の山田誠二教授(前・人工知能学会会長)は『AIリテラシー』とおっしゃっていました。これらのリテラシーをいかに育成していくかが社会的課題であるとも。
これは、AIのプログラマーや開発者だけに必要なものではありません。AIがどのような使われ方をする方がいいのかを考えることは、コードが書けるということとイコールではありません。映像講座になぞらえれば、「どんな講座をつくったらいいか」を考えることと「映像編集ができる」こととは異なります。
シンギュラリティも物議を醸していますが、これも様々な物の見方が関わりますね。
まずはAIについて、どんな製品があるのか、どんなことに使えそうなのか、どのようにサービスを作ればいいのか、知ることからスタートですね。
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