「AIリテラシー」はこれからの社会の必須スキルとなるか?③ 「そこにAIはあるのかい?」

By | 2018年7月9日

大雨。皆さんは大丈夫でしたか? 多くの方が犠牲になっているニュースを見ると、心が痛みます。

阪神大震災の時には20歳で実家が全壊した岡田です。

こういう災害の時こそ、しっかり経済活動しようと思います! 直接的な支援もあるでしょうが、日本全体で一人ひとりが頑張って生産性をあげることも、まわりまわって(間接的)支援になると思うんです。まず、目の前のことを一生懸命! 頑張っていきましょう!

 

そんな中、自分のレベルアップも兼ねて、数学の勉強会に行って参りました。

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そこで学んだこと

知っていることでも、みんなで勉強したり、リアルな場だと理解が深まる

ということでした。読書だとマイペース過ぎて、なんとなくの字義の理解にはなりがちです。そこに「質疑応答」があったりすると、途端に頭が働きだしますね。

なんとなくの理解が「整理」されていきます。自分の頭に負荷を掛けて理解を深めたい場合には、リアルな勉強会もいいですよ!

デジタル・ナレッジでは、いくつかセミナーを用意しています。https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/category/event/

是非、みんなで今後のビジネスについて考えていきましょう!

 

AIリテラシーを考える…ってことで前回まで2回にわたって徒然なるままに書きましたが、今日は本質的なところについてまとめたいと思います。

  1. AI導入のポイント
  2. 業務フロー整理のための方法論
  3. 結局、AIリテラシーって何?

 

1.AI導入のポイント

前回のブログ(https://www.digital-knowledge.co.jp/blog/archives/3444/)でも書きましたが、AI導入のポイントは、3つです。

要素

  • 業務・学習の「どの部分」をAI化するのか決める
  • 業務・教育ノウハウをもとにしたデータ・ルールの準備
  • 検証とチューニング

詳しくはセミナーに参加してお尋ねいただくとして、重要なのは「業務」「学習」を細分化することです。

AIに何ができるかということを考えたり、情報収集することも大事です。しかし、もっと重要なのはその前にあります。業務や教育を改善するために、まず現状の業務フローの整理をすること、それを細分化して何が課題となっているかを見極めることができてはじめてAI導入(もっと一般的に「支援技術の導入」)の検討段階に入れます。

ですので、AI導入という話題が出てきたら、それを良い機会として、自社の業務フロー・教育フローを見直してみてはいかがでしょうか。

 

2.業務フロー整理のための方法論

とはいえ、業務フローを客観視するという行為はカンタンではありません。

教育や学習もそうです。例えば、教師は「カリキュラム」や「教案」といったものを授業の前に準備しています。「どんな資料を使うのか」「生徒たちの授業前の状況(理解度・学習進捗・心身の健康度など)」「授業で利用できる機材・環境」「今回の授業の要点」「要点に至るまでに考えさせたいこと」「今回の授業のゴール」など、表現は様々ですし、要素も状況によって変わるでしょうが、細分化して整理することで、教育の精度があがります。

私も教育業界にいた経験から、いつも、教案づくりに腐心していました。研修も、主に教案づくりですしね。

でも、意外とそれ以外の業務については細かく整理する機会って少ないなと思います。

特に無意識に行っていたり、ルーチン化している業務、社内風土を客観視するためには、「外部の目」が必要でしょう。

「外部の目」を取り入れるために簡単にできることが3つあります。

  • 外部の研修にスタッフを参加させる

  • コンサルタントを雇う

  • eラーニングを行う

一つ目は、多くのスタッフを外部の有益な研修に参加させることで、第三者的な視点を獲得させ、それを内部へと持ち込むという方法です。管理職研修などでよく使われている方法です。

残り2つは、外部の人間を社内に入れるという方法です。コンサルタントについては説明不要でしょう。コンサルタントとは立場が違いますが、広報・ブランディングのプロの方を入れることで外部の目が手に入ることもあります。

でも、三つ目が「eラーニングって?」と疑問をもった方もおられるでしょう。

eラーニングに限ったことではなく、「研修設計」や「サービス設計」ってクライアントの「やりたいこと」のヒアリングから始まって、ラーニングの結果として業務改善につなげていくようにしなければなりません。この過程こそ、業務の細分化・整理に関わってきます。一般常識やビジネスマナーの研修なら別ですが。

また、暗黙知になっている業務ノウハウをインタビュアーを介してコンテンツ化するサービスもあります。(https://www.digital-knowledge.co.jp/product/interviewer-service/

 

そして、eラーニングであれば対面研修以上にメリットがあります。それは「データがたまる」ということです。

AIが効果的に社会で役立つためには、データが必要です。これらのデータはどのように集めますか? 現在、通信会社やインフラに関わるところはデータを多く所有しています。しかし一般企業が多くのデータを揃えるには他の手法が必要です。

eラーニングであれば、「社内研修」としての役割を果たしながら、「データ収集」という今後のAIなどによる業務改善につなげることができます。一石二鳥ですね。

理想的なのは、(1)「業務改善を意図したeラーニング設計」→(2)実施→(3)分析(https://www.digital-knowledge.co.jp/product/kd/option_kd/analytics/)→(4)AIを用いた業務改善・サービス構築の検討

という流れです。

 

3.結局、AIリテラシーって何?

3回にわたって書いてきましたが、結局は「AIリテラシー」って何でしょう?

ここで性急に定義づけをすることは避けたいと思います。(ヲイ!)

 

でも、重要なポイントは見えてきたのではないでしょうか。

元々、私がこの課題を考えるきっかけになったのは、教育業界の方が「AIで添削ができる」と(現状の技術を知らずに)さらっと発言をした、ということでした。くり返しになりますが、「添削」という業務の中には一連の過程があります。本当に添削にこだわっている方や、添削業務に苦しんでいる人ほど、その大変さを重視します。

AI導入を簡単に決めるのではなく、自らの業務に誇りを持ち、愛を持っているからこそ、しっかり見えてくることってあると思うんですよね。

 

ネットでも、「これ、AIの技術なんて関係ないじゃん!」というものにも「AI」という名称がつけられてることがよく指摘されています。そういう時には「そこにAIはあるのかい?」と問い続ける姿勢が必要です。

また安易に「AI導入しよう!」となる前に、自らの業務について「そこに愛はあるのかい?」と問い続ける姿勢。

これらの姿勢は意外と相通じるものかもしれません。これらの姿勢がAIリテラシーの重要な部分だ、という指摘で、このシリーズは終えたいと思います。

 

 

【岡田のセミナーのお知らせ】

7月12日@秋葉原『《初等中等教育》事例から学ぶ「教育×AI」導入セミナー』https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/16268/

 

7月25日@秋葉原『《初等中等教育》事例から学ぶ「教育×AI」導入セミナー』https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/16272/

 

8月2日@インテックス大阪『実例で学ぶ!「教育×AI」の現在 ~今日から導入できるAI入門~』https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/16376/