「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、先週と今週では気温がガラリと変わり、今日の東京は夏の暑さはもはやなく涼しい秋の気配を感じます。連休最終日に日帰りで軽井沢に出かけ、10度台の気温の快適さを味わってきましたが、東京に戻ってもそれに近い快適さを感じております。いよいよ秋到来です。
さて、今回は今月リリースしたばかりの弊社LMSの最新版、KnowledgeDeliver7.5のリリースから、今回初めて搭載した生成AIによる教材の自動補完機能について紹介します。
Teacher’s Copilot™️について
以前から当blogで何度か紹介しておりましたが、ここ数年の生成AIの発展とそのパワーを教育に活用しようということで、弊社ではTeacher’s Copilotと銘打って教材製作者や教員の方のアシスタントとして機能するサービスを開発しております。
例えば、本来は教材制作者が作問しなければならない確認テストなどの問題、これは結構な手間がかかる作業です。こういったものを自動的に作成してくれたらどんなに楽だろう・・・ そういう思いで研究開発を進めたのがTeacher’s Copilotです。
詳しくは過去のblogで紹介した記事:AI/生成AIにより多彩な教材・副教材を生成、Teacher’s Copilot(その1:マルチ教材)をご覧ください。このように、元々は教材制作者が制作した教材を元に、テスト問題や副教材などを自動的に生成するというものです。
展示会や弊社のカンファレンスでも紹介し好評いただいておりましたが、このTeacher’s Copilotがいよいよ弊社のLMSであるKnowledgeDeliverに搭載されました。
KnowledgeDeliver 7.5へ搭載
今年の9月にリリースされた弊社のLMSの最新版、KnowldegeDeliver 7.5に、このTeacher’s Copilotを搭載しました。この機能を活用することで、教材制作者が作成した教材をもとに、生成AIが「学習のポイント」「確認テスト」「復習テスト」「この章の復習」「総まとめ」といったコンテンツを生成し、自動的に単元を作成し割り振ります。
具体的には下記単元を自動的に作成し、教材を元に自動生成されたコンテンツを割り振ります。
- 章の最初に「学習のポイント」単元を自動挿入し、教材を自動生成
- 章の最後に「確認テスト」単元を自動挿入し、テスト問題を自動生成
- 章の最後に「この章の復習」単元を自動挿入し、復習教材を自動生成
- 教科目次の最後に「まとめ」章を自動挿入し、「復習テスト」と「総まとめ」の教材を自動生成
生成AIが教材制作者の作った内容を読み取って、その内容に沿った教材やテスト問題を自動生成します。内容的におかしかったり誤っていたり、もう少し説明を加えたい場合もあるでしょうから、自動生成された教材を選択したり、加筆修正を加えることもできます。ただそれでも生成AIが人間の教材制作者の業務の多くを肩代わりしてくれると思います。
このTeacher’s Copilotによる教材の自動生成機能、KnowledgeDeliver 7.5からオプションとして搭載されます。ご希望される方はぜひお試しいただき、ご導入ください。
特別付録:当初の企画書
今回は公開を記念して、私が当初描いたTCの設計コンセプトをお見せします。
今回KnowledgeDeliver7.5で実装されたものは、この設計コンセプトをベースにしており、ほぼこの設計を実現しています。
昨年末ごろ、社内でTeacher’s Copilotのパイロット版がいくつか出来てきて、生成AIを教育に適用すると良さそうだという機運が高まってきた頃、実際にどのように実装するかを私がアイディアベースで書き出したものです。
人間が作ったスライド教材や映像の音声から抽出されたテキストを生成AIに与えて、教材を自動生成するということと、そうやって生成された教材を人が取捨選択したり修正できることを整理しました。
さらに、これをどのように受講者に掲示するか、ということで、下記のように整理しました。
今回のKnowledgeDeliver7.5で実装されたものと、ほぼ同じ構成ですが、元の教材の章・単元の構造を生かして自動的に単元や「まとめ」の章を自動挿入し、そこに生成AIが作った教材を自動的に割り当てています。
なお、現行のバージョンではスライドなどのテキスト素材をもとにしておりますが、近日中に元の企画にあるように、Video+教材(映像教材)についても取り扱いたいと考えております。
実際に使ってみると、劇的に工数が削減できるというだけでなく、これまでテスト作問が面倒で見て終わりとしていたような簡単な研修であっても、テスト問題を提供することで知識の定着や理解度の測定にご利用いただけるという点でもとても使い勝手のいいサービスだと思います。
KnowledgeDeliverの7.4以前のバージョン(5系/6系を含め)をご利用いただいているお客様はもちろん、他社のLMSをご利用になっている方向けの生成AI教材制作ツールを提供するバージョン(Teacher’s Copilot CMSサービス)も用意しております。
ぜひこの機会にご利用ください。
おまけ
季節は秋に変わりました。ちょっとしっとりするような曲を聴きたくなる季節になってきました。
そこで今回はNancyを吹いています。
この曲のフルタイトルはNancy (With The Laughing Face)と言いますが、アメリカのジャズボーカルの大物、フランク・シナトラの奥さんの誕生日に送られた曲です。なのでこのNancyさんはフランク・シナトラの(最初の)奥さんの名前というわけです。作詞作曲は別の人なのですが。
秋の夜長、ゆっくりとお過ごしください。