EdTechってドローンっぽい?

By | 2015年3月20日

drone ≒ EdTech?

ブログリニューアルオープン記念で(?)連続投稿です。

最近ドローン(Drone)が大流行していますよね。

ドローンとは、そもそもは軍事用の無人飛行機で、リモートもしくは自律的に飛行して偵察や攻撃をするといったものですが、近年は多軸のプロペラを持つ小型の飛行体を指すことが多いです。その多軸構造からマルチコプターとか四軸ある場合はクアッドコプターとか呼ぶこともあります。

代表的なモデルはこういうものだったり

Parrot AR Drone 2.0

Parrot AR Drone 2.0 (ちょっと古いモデルですが、あえて)

 

こういうものだったりします。

CJI PHANTOM 2

CJI PHANTOM 2

 

Amazonのドローンによる配達サービス構想セコムのドローンによる自動飛行監視ロボットなど、一般のニュースでも大きく取り上げられますし、ニュースでもドローンが取り上げられる頻度が増えてきました。

これはAmazonのPrime Airのコンセプト映像です。

 

一般のホビー用途でもドローンは広がり、先にあげたParrotのドローンとか、DJIのドローンはかなり普及しています。個人が購入し飛ばして遊んだり、今までヘリの空撮でしか撮影できなかったことをドローンを使って空撮して楽しんでる人も多いです。YouTubeにはそんなドローンで撮影した映像がたくさんUPされてます。
(うちの代表もドローン大好きで、すでに3台所有し熱海の別荘で飛ばして遊んでるそうです。1台は木にひっかけちゃって回収不能になったそうですが・・・)

ドローンを使うとこれまで撮影できなかったような映像を撮影することもできます。

 

こういうPV(OK Goの”I Won’t Let You Down”)にもドローンが使われています。

 

こういうのが(人が乗る)ヘリを飛ばさずともドローンで撮れちゃうのです。
小学生のころ、全校生徒が校庭に出て人文字を作って新聞社のヘリから空撮で記念撮影してくれました。あのときの高揚感を覚えてますが、あれがぐぐっと手軽に、そして日常的に行えるのです。

これらを見ているとドローンの登場と普及によって、大きくマーケットが創出されたように感じます。

ドローンすてきですね。個人でもほしくなっちゃいます。

 

だが、ちょっと待ってください。
以前からこのようなライトウェイトな飛行体ってありましたよね? そう、ラジコンヘリです。

私は子供のころラジコン少年で、ラジコンカーを作ったり走らせたりするのに興じてましたが、ラジコンの世界では、ラジコンヘリは最高峰といいますか別格でした。いつかは飛ばしてみたいなぁ、でも値段も高いし操作も難しいしなぁ、そんなことを思ったものです。

それがドローンという形で値段もそれなりに安価に、操作も簡単になって普及するとは。
時代の流れというのはすごいものです。

 

そんな類似関係にあるラジコンヘリとドローンって、いったい何が違うんでしょう?
ちょっと整理してみましょう。

  • 構造 ・・・ ラジコンヘリは動力源となる回転軸が1つだが、ドローンは複数の回転軸(たいてい4つ以上)からなります。構造はヘリに比べるといたってシンプルです。
  • 操作性 ・・・ ラジコンヘリはプロポという操作装置を使って飛ばしますがこれがとても複雑で飛ばすのがとても大変。ヘリの構造を理解しておく必要があります。たとえばホバリングという空中に静止する状態を保つだけでも結構なテクニックを要します。一方ドローンは構造なんて知らなくてもスマホを使って直感的に動かしたり(傾けるとその方向にいくUIを持ったものもあります)、専用の操作装置もとても簡単にできており、誰でも簡単に飛ばせます。
  • 安定性 ・・・ ドローンは多軸構造のため、空中でとても安定して飛行できます。これは先の「操作性」にもつながるわけですが、大きくぶれることなくものを運んだり撮影したりするのに向いています。
  • 自動運転 ・・・ いくつかのドローンは自律的に飛行することができます。あらかじめプログラムしておいたり、GPSによって飛行ルートを定め、そのルート通りに飛ばすことができます。
  • 目的 ・・・ ラジコンヘリは飛ばすこと自体がホビーであって、飛行そのものを楽しむものですが、ドローンは飛ばすだけでなく付加価値(空撮する・運ぶ)を主目的としている感じがします。
  • 普及 ・・・ ラジコンヘリは一部マニアのもの。ドローンはもっと層が広い。統計データを見たことはないので正確にはわかりませんが、おそらくドローンの出荷台数はラジコンヘリを大きく(おそらく桁違いに)凌駕していると思います。

 

本質的には同じ飛行体であるラジコンヘリの世界に、最初はひよっこだったドローンが登場し、やがてドローンの活用例が増え、メーカーも増加し、ドローンが「空飛ぶ小型飛行体」というカテゴリを席巻し、さらにこのカテゴリを拡大する。

おそらく老舗のラジコンヘリのメーカーは地団駄を踏んでいるんだと思います。

「くそっ、空飛ぶことにかけては我々のほうが何十年も前からやっているし技術力もあるのに、あんなへなちょこのドローンとやらに市場を喰われちゃったじゃないかあ!!」

まさかラジコンヘリのメーカーはああいうものが登場し、広く一般の人までをも巻き込んで販売されるなんて考えもしなかったと思うのです。

昨今のドローン人気は、そういうふうに見ることもできます。

さて、ここからが本題なのですが、
これって、なんだか最近のEdTechの動きに似ているように思うんです。

EdTechはEducationとTechnologyの造語で、おもに創業まもない企業が熱い思いで教育とテクノロジーを融合させて生み出したサービスを展開するビジネス領域を指します。
多くのEdTech企業はフリーミアム戦略をとり、ほとんどが無料もしくは従来サービスから比べると非常に廉価でサービス提供するのも特徴のひとつです。昨今は雨後の筍のように世界中でEdTech系のスタートアップ企業が誕生しています。

 

上のラジコンヘリとドローンを、それぞれeラーニングとEdTechに言い換えても成立しそうな気がしています。

従来から存在し一定の支持を受けていたeラーニングの中、EdTechという新領域が誕生した。EdTechはシンプルで使いやすく、裏の技術を誇示するのではなく表のサービスそのもので評価され、一般に広がっていく。

そういう流れがEdTechにはあり、これがまさにドローンっぽいなぁと思ったりしております。

 

グレシャムの法則「悪貨は良貨を駆逐する」

このグレシャムの法則には、いろんな解釈があるかとは思いますが、私には

「たとえ良貨を作っていてもダメで、ニーズにあわせて作られた悪貨のほうが、結果、人口に膾炙される」

というふうにも思えます。

これはラジコンヘリとドローン、もしくはeラーニングとEdTechに対して言えるんじゃないかと思ったりしております。

その意識を持ち続けること、それがとても大事なことです。

弊社デジタル・ナレッジはeラーニングの専業企業ではありますが、ドローン的な新技術・新サービス・新たな基軸や視点を常に持ち続け、ニーズをとらえ続けなければならないなぁと思う次第です。

 

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