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漫画・アニメから最新技術と教育の在り方を考える~その①?~

先週末、引越をして筋肉痛が続いているトレパ「室長」・岡田です。

筋肉痛が翌日に出てくれて、密かに喜んでいますw

 

さて、引越となると、本棚にある本を段ボールに入れる際に、ついつい懐かしい本などを読んでしまいますね。作業時間の何割を割かれたのだろう…と考えると精神的にダメージが大きいので考えないことにしますが、改めて考えさせられたのは、「漫画やアニメって侮れない!」ということです。

ブームの後かもしれませんが、『ソードアート・オンライン』をアニメで見た時も、『アクセル・ワールド』を見た時も、VR(バーチャル・リアリティ)の可能性について考えさせられました。

没入どころか、脳内に直接的に信号を送ることでバーチャル空間でゲームを行うという発想ですが、そのリアリティだけではなく、オンラインで複数の人たちがつながってコミュニケーションを行うことが可能というところがポイントです。

これは、元ネタとしては、ハーバード大学の教授だった哲学者ヒラリー・パトナムの「水槽の中の脳」の議論であり、映画『マトリックス』にも転用されている思考実験です。私たちは日々さまざまな体験をしていが、実はマッドサイエンティストによって水槽の中に入れられた脳だけの存在で、脳に電極を埋め込まれ、機械的に送り込まれる電気信号によって「感覚を与えられている」存在だとしたら、どうする? という議論です。※興味がある方は、翻訳がありますので、ご一読ください。

 

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私が、これらの漫画・アニメ・映画から考えさせられるのは、このような環境が人間に与える影響です。

例えば『アクセル・ワールド』。

主人公たちは、常人では考えられない反射速度の世界を体験することができます。※詳しくは原作を見ていただきたい。

「ブレイン・バースト」というバーチャルな世界では、通常の1000倍の思考速度になります。簡単に言うと、通常の世界では1分の時間しか流れていないのに、「ブレイン・バースト」のプレイヤー達は約1000分の時間を体感します。

1000倍かどうかは知りませんが、私自身、以前車に轢かれそうになった時、周囲がスローモーションのように感じた(=自分の脳内の反射速度が一時的に向上した)体験をしたことがあります。つまり、思考が何らかのきっかけで加速化することは「ある」と思うんです。

 

しかし、一般的にはなかなかそうはいかない。それは、人間に「身体」があり、身体的な敏捷性はいくら鍛えても常人の数十倍にはならないという理由ではないかな、と思っています。歩く速さは、個人差はあっても想定内ですし、その速度で歩く限り、常人の数十倍の反射速度を必要とすることがありません。

逆に言うと、本当に神経そのものや脳と信号のやり取りができる技術が生まれたら(そのような実験は既にありますが)、本当に「思った通りのコミュニケーション」が実現するのかもしれません。そうなれば、今までのアウトプット、つまり「発声」や「文字入力」などの煩わしさからすべて解放!みんな、Happy!になれますよね!

 

今までは、唇や舌を数十倍の速さで動かすことができなかったので諦めていた「超高速発話」が、脳内直結コミュニケーションで実現する未来!あなたも今日からコンピューター並みの処理速度を!

 

…って、本当にそうなのでしょうか?

 

ちょっと回り道に思われるかもしれませんが、ここで改めて、受信デバイスとしてのVRゴーグル、入力デバイスとしてのAIスピーカーを取り上げて考えてみたいと思います。

このブログを読まれている方は、VRをどの程度体験されたことがありますか?

私は、VR体験が大好きで、テーマパークにも行きます。そこでバンジージャンプのVR体験をしたことがあります。あれ、かなり怖いですよw まず、体験する前に「何があっても、関知しないですよ~」という誓約書にサインさせられます。本当に落ちる気持ちを味わいます。夢ですっごく深い穴に落ちる夢を私はよく見ていたのですが、あの落ちる感覚!それをそのまま感じることができます。悪夢から覚めた時のあの動悸と冷や汗。

そんな体験をしていたので、デジタル・ナレッジの研修合宿の一コマで、本物のバンジージャンプをする機会があった時も自ら志願してやってみました!(そういうことが何故か社内行事としてある楽しい会社なのです。。)

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イラストの表情、とても楽しそうですよね♪

そうなんです。バンジージャンプ…

 

VRと全然違うやん???(T-T)

 

「バーチャル」と「リアル」の間には、やはり大きな「溝」がありました。

確かに、VR体験でも足は震えますし、冷や汗もかくし、バーチャルな(実質的な)「体験」と言ってもいいでしょう。しかし、受信デバイスはあくまでもデバイスであり、VRゴーグルという「デバイス」を通じて表示された情報を「目」という受信機で受け取るという複層的なプロセスが介在します。まず、物理的デバイスの「再現性」の限界があります。

また、VRには様々なデバイスを使って複数の感覚器に刺激を与えることで(例えば視覚と聴覚と触覚)、脳をだますというコンセプトですが、そこにはその人がプレイヤーとしてそのVR体験に「自ら没頭する」という何らかの心理的なコミットが少なからず存在します。(VR体験に没入できない人も多くいらっしゃいます。個人差が当然あります。)

これらの「溝」は、現段階では人間の想像力・集中力(言い換えると余計なリアルな情報を捨てる力)によって埋められている、ということだと思います。

 

最近、気になっているのは、この「溝」の存在。神経接続という発想は、この溝を埋めるための技術だと思います。一方で、この「溝」が無くなるようなコミュニケーションが出現した場合、人間や社会への影響というのは本当にないのでしょうか?

 

そこで流行りのAIスピーカーについて視点を転じてみましょう。

AIspeaker※最近、自作してみたAIスピーカーキット。

AIスピーカーについては、「使いやすい!」という声も多い中、「ちゃんと認識してくれない」という意見もあります。

ロボット・スタート社の北構さんが面白い記事を書いていたことがありました。(https://robotstart.co.jp/

 

「スマートスピーカーにhogeと話しかけたら違う単語と音声認識したから、まだ実用的ではない」的なのってちょいちょい目にするけど、その人の発話がそもそもいまいちって可能性があるかもよ。滑舌の悪さだったりモゴモゴ喋ったりとか。
パソコンのキーボードだって初めて使うときにトレーニングしたのと一緒で、どんな道具も使いこなすためには人間側がある程度のトレーニングが必要かと。スピーカー側に聞き取りやすい音声を人間側がある程度意識的に発話する必要はあると思うんです。
もしかしてコミュニケーションロボットやスマートスピーカーに対し、道具じゃない未来感を感じる理由の一つは「人間側がトレーニングしなくても使いこなせそう」という期待をするからなのかな。
そして人間側のこの期待を裏切ると「この道具は使えない」という評価をしてしまうのかも。原因のいくつかは人間側や利用環境にあったとしても。

 

唇・舌といった人間の発声器官の精度(個人差あり)の問題と、入力デバイスとしての「マイク」という複層的なプロセスが入力の「溝」を作っています。

この「溝」が「煩わしい」という発想があり、その溝を埋める努力を研究者なり企業なりがしており、そのために技術革新を起こそうとしています。

体が不自由な人を支援したい!とか、業務効率を上げたい!というレベルでの技術革新は大いに結構ですが、この「溝」が無くなってしまう時、「コミュニケーションを行おう!」という「意志」までもが無くなってしまう可能性を、個人的には懸念しています。

例えば、北構さんが指摘している滑舌の問題。「溝」がない、神経接続によるコミュニケーションによって世の中から「滑舌が悪い」という概念自体が無くなる可能性があります。この場合、おそらくは「ボイストレーナー」や「アナウンサー養成」という職業がなくなるかもしれません。教育や子育ての中から、発声というものはなくなってしまうのでしょうか。。…こうなると「歌」はどうなるのでしょうね。「この人の声が好き!」などの個性が薄れていくかもしれません。

 

個人的には、このような世界は好みではありません。

発声器官をコントロールするように、伝達デバイスのコントロールという新しい意志の働かせ方がもしかしたら生まれるのかもしれませんが、人間が人間である限り、やはり身体というものがカギになるような気がしています。

身体とデバイスというものの間に「溝」があることが、トレーニング機会を生み、人間らしい「意志力」を鍛えることになるのではないかと思います。

 

私たちは、AIトレーニングツール「トレパ」というサービスを展開していますが、自動翻訳機能と異なり、トレーニングツールとしては何でもかんでも自動化してストレスのない状態にすることは本道ではない、と思っています。よく、自動翻訳機能が発達すれば英語学習も不要になる!などを言う人もいますが、英語を話すということの中に「伝える意志力を鍛える」「相手の背景知識・文化を重んじる」など明確に箇条書きにできないような能力・資質が必要だという視点が欠落しているように思います。スーパーで買い物するレベルの英会話をしたいのか、恋人に本心を伝えるために英会話をしたいのか、政治的駆け引きのための英会話をしたいのか…同じレベルで語られるものではありません。また、英語を使えればいいという「ユーザー」目線と、英語の「学習者」目線の混同がされている可能性があります。学習者にとってはハードルがなければ学習する意味がなくなるのです。

 

いつの時代もそうですが、新しい技術が普及した時、それを「使いこなす」ための「意志力」は持ち続けないといけないのかもしれませんね。シンギュラリティの議論も、人間の能力をAIが超える、というよりは、人間がAI技術の前で「意志力を発揮しなくなる」ことへの警告も考えていかないといけないのかもしれません。

このテーマは深いものだと思いますので、継続して考えていければ。

 

■関連情報

①トレパ公式サイト(トライアルも申込ができます。) https://torepa.jp/

②【3月10日】AIによる英語トレーニング教材制作ワークショップ~英語指導につかえるコンテンツを考え、つくる!~
③AINOWへの岡田の寄稿文 http://ainow.ai/2017/12/15/129360/

④トレパFacebookページ https://www.facebook.com/torepa.jp/

 

 

【2月21日実施】AIトレーニングツール『トレパ』教材作成ワークショップ報告

「月末までにやろう!」と仕事の期限を決めるクセって、ありませんか?

…私だけでしょうか。トレパサービス推進室「室長」岡田です。

 

…毎年、2月になると、このクセを直そうと誓いながら、なかなか学習できずにいます。

 

さて、そんな皆さんお忙しい中ですが、先日、2月21日に弊社のAIトレーニングツール『トレパ』のワークショップを学校・塾の教員向けに実施しましたので、その時の報告を簡単に行いたいと思います。

 

2月21日(水)秋葉原にある弊社デジタル・ナレッジのセミナールーム。

各回15名定員のワークショップでは、ほとんどの席が埋まりました。

 

内容としては、

トレパサービスの概要説明、デモ、問題作成画面(エディット画面)説明の後、実際に問題を作ってもらうハンズオン形式のワークショップ

でした。

 

今回のワークショップでは、「トレパ」を使うことが『意外とカンタン!』と言っていただけることが目的でした。

「AIの技術は〈使う〉」ことが求められています。AIを〈つくる〉ことは一部の企業が行えばよく、教育実践をされている教員の方々には、「AIの技術を〈使って〉、どのような教育ができるのか」に注力していただければと考えています。

そのために、AIエンジンと教材づくりの「橋渡し」をするのがデジタル・ナレッジの使命だと考えています。

橋渡し

 

実際に興味を持っていただいた方には、トレパのフル機能を2か月間フリートライアルをしていただくことができますので、公式サイトをご覧ください。

■トレパ公式サイト https://torepa.jp/

 

今回のワークショップで印象的だったのは、日本語のAIトレーニングに対するニーズの多さでした。

以前から展示会などで「トレパ」を紹介すると、「日本語はできないの?」と尋ねられていました。その時は、「英語ができるんだから、日本語も…」くらいの『ついでの質問』くらいかと思っていましたが、今回は日本語教育に関わる方々が実際にワークショップに足を運んでいただきました。このニーズはホンモノのようです。

確かに、2020に向けて日本語教育のニーズはますます増えていくでしょう。この機会に、Cool Japanの重要な柱として日本語教育が浸透すればいいな、と個人的には思っています。(ちなみに、母国語としての日本語教育と、外国人向けの日本語教育を私は区別するべきだと思っていますが、この点は割愛します。)

 

また、別の観点ですが、日本語版トレパがあれば、専門分野の口頭試問に使えないか、というアイデアをお持ちの方もおられました。

 

本来の英語トレーニングについては、人事研修で使えないか、というご意見も。

やっぱり、私もそうですが、仕事帰りに英語教室に通うのもしんどいですよね。急に仕事が入ったりする場合もあるし。それであれば、社員教育の一環として、その業界に特化した英語トレーニングを展開するというのもアリだと思います。

 

このように、初等中等教育でも、社会人教育でも、コンテンツを載せる「エディター」という点がトレパについては評価されています。アプリだったら、コンテンツを編集したりすることがほとんどできませんからね。

英語アプリについて、ある高校の先生がおっしゃっていたのは、「アプリだと、採用するかしないかの二択にしかならない」。融通無碍なところが「トレパ」のポイントだと思います。

 

しかし、一方で、いくらカンタンとはいえ、自分たちでコンテンツをつくる作業が入ってくることになります。その負担を軽減するために、私たちは、チュートリアル動画の公開やワークショップの継続実施を考えています。

もし、「こんな使い方できるぞ!」とか、「こんなコンテンツをみんなで使ってみない?」ということを一緒に考えていただける方がおられたら、どんどんトレパの『公開コンテンツ』に教材を載せていってくれませんか?

また、ワークショップにご参加いただき、実際に私たちとお話しながら、新しい英語教育のカタチを考えていきませんか?

 

■次回のワークショップは、3月10日(土)です。■

https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/15178/

「きつねうどん」→「ぶっかけうどん」から考えるコミュニケーション

風邪も治り、健康診断前だというのに食欲マシマシで危機感を感じているトレパ室長・岡田です。

先週末は大阪出張でして…やっぱり粉もん(お好み焼きとかたこ焼きとか)を大量摂取してしまいますね。

 

さて、先日、家の近くにあるうどん屋さんで、貴重な(?)体験をしました。

(私)「きつねうどん、お願いします」

(店員さん)「はい!熱いので、いいよね?」

(私)「(冷たいきつねうどんって東京ではよく食べるのだろうか?)はい。熱いのを。」

 

で、出てきたのが、「ぶっかけうどん(熱)」

 

Σw(゚д゚* )w

 

…一瞬、何が起こったかわかりませんでした。

 

(私)「あの…きつねうどんって、言ったつもりなんですが…」

 

結局、ぶっかけうどんでもそのまま食べるからという私の提案を半分笑いながら謝絶して、きつねうどんを作ってくれた店員さん。日本人同士でも、こんなミスコミュニケーションが起きるんですね!

 

さてさて、ここからが本題!

ミスコミュニケーションというのは、発話者の意図と受信者の意図がズレることを言いますが、これって、「伝わっていないな」ということが分かるためには何らかのトラブルやイベントが必要なんだと思います。

むしろ、本当にこれから求められるコミュニケーション力って、このようなミスコミュニケーションが起こった時に、正常な状態・理想的な状態に修正する根気の良さ柔軟さの上に成り立つのではないかと思っています。

そういう修正力・柔軟さがあるからこそ、最初からトラブルが起こらないように先回りして課題を取り除くことができて、コミュニケーションが円滑にいくのでしょうね。

 

私は、『トレパ』という「英語4技能対応授業」実現AIツールを世に広めようとしています。日本では特にスピーキングのトレーニングが不足していると考えており、スピーキングのアウトプット機会をつくることが目的です。

そのトレパを使っていただいた高校の先生が面白いことを言っていました。仮にB先生とお呼びします。このB先生は同僚のA先生にトレパを紹介されて使ってみた、とのこと。

その方は、トレパに向かって「I live in Chiba.」と言いました。すると、どうしてもChibaの部分が認識されない。

そこで、A先生に『トレパの認識率、どうにかならないかね』と言ったところ、A先生が

『当り前じゃないですか!千葉って、英語の辞書に載ってますか?』と答えたとのこと。

 

そうなんですよね。私たち日本人は、Chibaと聞いたら「千葉」という地名だということが分かるし、もしかしたら「千葉」という名字の人かと思います。しかし、日本のことを知らない方なら、Chibaという音が何を指し示すのか分かりません。

そのことに気付いたB先生は目からうろこが落ちた思いをしたそうです。

 

そうか!トレパの反応は、日本のことを知らないネイティブスピーカーの反応に似ているのではないか!?

 

B先生は言いました。

だから、私はこの「I live in Chiba.」を生徒にさせてみようかと思って。「あれ?うまくいかない」という体験をさせたうえで、「じゃあ、なぜそのミスコミュニケーションが起こるのだろう?」と考えさせて、文化やボキャブラリーなどの違いというものを考えさせるのが異文化コミュニケーションとしての英語教育に必要なのではないだろうか。

トレパは、生徒に歩み寄るものではなく、なるべくネイティブスピーカーの立ち位置を保持するようにしてほしい。

 

日本にいて、当たり前と思ってしまっていることを、海外の文化や言語やルールから見つめなおすことは非常に重要な学びだと思います。そのためには、やはりネイティブスピーカーに近い学びの「ストライクゾーン」(詳しくはhttps://www.digital-knowledge.co.jp/blog/archives/3172/を参照ください)が必要で、「伝わった/伝わらなかった」という何らかの反応がないと学びが深まらないのではないかと思います。

 

深い学びのためのトレパ活用。どんどん増えていってほしいですね。

 

ちなみに、冒頭のうどんネタに戻りますと、東京に引越してきて困ったことの一つに、「たぬきそば」があります。

関西人としては、「たぬきそば」って、お揚げが乗ったそばのことなのですが、東京では天かすが乗ったそばのことを言うのですね!(何度も注文間違えました。。。)

このあたりは、私は専門外なので、こちらのサイトをご参考ください。https://style.nikkei.com/article/DGXNASJB21049_S3A220C1AA2P00

 

 

■関連情報

①トレパ公式サイト(トライアルも申込ができます。) https://torepa.jp/

②【2月21日】AIによる英語トレーニング教材制作ワークショップ~英語指導につかえるコンテンツを考え、つくる!~
③AINOWへの岡田の寄稿文 http://ainow.ai/2017/12/15/129360/

④トレパFacebookページ https://www.facebook.com/torepa.jp/

 

「教育×VR」に新しい波がやってくる?

先日、1月31日は、

「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」

でしたね。こういうネーミングを見ると、昔のアニメの必殺技を思い出しませんか?

と、不惑を通り越したトレパ室長の岡田です。

 

天体というのは不思議なもので、見上げていて飽きないですね。宇宙は永遠の憧れなのかもしれません。

以前、宇宙開発の講座づくりをした時に、講師の一人の宇宙飛行士・山崎直子さんにうかがったエピソードがあります。

宇宙ステーションから初めて地球を眺めた時、とても驚いた。いつもなら、足元にあるはずの地球が私の頭上に見えたので。

このような内容だったと思います。

この話を聞いた時に、ふとVRのことを思い起こしました。VR(バーチャル・リアリティ)は最近では「没入型」というフレーズも使われます。VRによって、現実の周囲の環境とは異る世界や環境に「没入」することができる、ということです。個人差はあるので、万人がその世界の中に没入できるとは断言しませんが、かなりの方がバーチャルな(実質的な)感覚を持つことができます。

宇宙ステーションという、普段なら入れない場所に没入できるなら、それだけで教育的価値は高いものになるでしょうね。

 

さてさて、ここでひとつ謝罪をしなければなりません。

実は、ずっとブログで書こうと思っていて、書いてないことがありました。

それは・・・

 

2017年に素敵なゲストがデジタル・ナレッジ社に来てくれたことです!

実は、岡山県にある公立中高一貫校の岡山操山中学校の男子生徒3名が秋葉原のデジタル・ナレッジ本社に来てくれました。2017年11月8日のことでした。(どんだけ書くのが遅いねん…)

彼らの来訪目的は、修学旅行の中のプログラムの一環としての会社訪問で、デジタル・ナレッジを選んだ理由が「VRを教育に活用している会社」だから!

公式サイトをかなり熟読してくれていたようです。

操山

岡田より、教育(社員教育)にVRをいかに使うか、という「教育×VR」領域のコンテンツ制作のポイントを話をしました。メモをとる姿勢、鋭い質問。え?今時の中学生はすごいなあ。いや、やはり岡山操山中だからすごいのか。普段の先生方のご指導と、何より生徒さんたちの知的好奇心がすごいんだろうなあ。などと、関心しきりでした。

その後、「拙いですが・・・」と言いながら、地図情報とリンクさせた教育VRコンテンツのアイデアについて、彼らからプレゼンがありました。

もちろん、色々細かいところでは、実現が難しいこともあったのですが、「教育×VR」というコンセプトの重要なポイントはしっかり押さえていました。

思わず、「将来、デジタル・ナレッジに就職しない?」と勧誘しちゃいましたw

 

まだまだ日本では、VRを教育分野、特に初等中等教育の場面で活用するという動きは大きくありません。しかし、VRでしか実現できない教育があると思いますし、それを実現する仕組みやノウハウを開発していきたいですね。

今の中学生たちが社会人として活躍している時には、想像もつかないようなコンテンツやシステムが構築されているかもしれません。できれば、私たちの世代がバトンを持っているうちに、少しでも構築したいですね。

 

最後に、ホットなニュースが流れて来ました。

いつもお世話になっているmoguraVRさんの記事を紹介します。東京大学がついに!

「教育×VR」がますます大きな波になりそうですね!

http://www.moguravr.com/tokyo-university-vr/

『トレパ』を使った英語指導例~三浦学苑・里見先生~

風邪をひいてしまったトレパ「室長」岡田です。

当たり前なのですが、風邪ひくと、思いっきりパフォーマンスが落ちますね。細かいこと考えられないし、創造的な仕事はできないし…創造的どころか、ルーチンワークも効率が下がります。

そんな時、「人工知能なら、体調不良とか関係ないのかな」などと考えてしまいますが、通信ネットワークの不安定とか、AIにもやっぱり「風邪」みたいなのはあるのかもしれません。

さて、弊社の新春イベントでもご紹介したのですが、今日は神奈川県にある三浦学苑・里見先生の取り組みを紹介します。

三浦学苑里見先生

里見先生のクラスでは、選択授業として英語を選んだ生徒たちにむけて、iPadを活用した指導を行っています。

その中で、スピーキングの練習の時間に弊社のAIトレーニングツール『トレパ』を使ってもらいました。

 

三浦学苑男子生徒

※iPadにApple純正マイク付きイヤフォンを使用。一斉授業でもしっかりと音声認識が行われていました。

 

デジタル・ナレッジからも、トレパサービス推進室のスタッフが見学に行きました。

印象的だった点は、

意外と盛り上がる。先生が「集中しているところ、悪いんだけど…」と声かけするシーンも。

 

チャイムが鳴っても、発話し続ける生徒さん何人もいた。

 

先生が「じゃあ、先生の後に続けて発音してみて」と言った時よりも、トレパ相手には積極的に発音していた生徒がいた。

 

生徒同士で評価を比べあって、発音のポイントなどについて教えあいが起きていた。

というもの。ちょっと、感動しました。高校生だと、こういうiPadを使ったトレーニングには抵抗感がないようですね。

特に目を引いたのは、ある女の子と男の子の会話です。

ある女子生徒が隣の男子生徒のトレーニングの様子(とiPad上でのトレパの発話評価)を見て、

すごい!どうしたら、いいの?

と言い出しました。すると、男子生徒が

ここのところ、こういう風に丁寧に発音するといいよ

と教えました。

 

この点だけでも、非常に価値があると思っていました。従来のスピーキングトレーニングでは、どんな発音をしても、チェックされる機会がなかなかありませんでした。たとえるなら、投球練習で、大暴投してもボールともストライクとも言われない。そんな練習では、自ら課題にも気づかないし、改善しようともしません。

とはいえ、クラスみんなの前で「さあ、発音してみろ!チェックするから!」と先生が待ち受けていたら、思春期の生徒たちは嫌気がさすでしょう。

つまり、トレパによって与えられたストライクゾーン(どんな発音がストライクで、ボールになるのか)によって、この女子生徒に課題が自覚された瞬間でした。

 

もっと素晴らしいことに、この瞬間を里見先生は見過ごさず、「集中しているところ、悪いんだけど…」と言いながら、子音・母音の話をしはじめました。

取り上げたのは、as。カタカナ英語では「アズa zu」ですが、実際の発音記号は【?z】です。

日本人であれば、スルーしてしまうかもしれない発音をトレパはネイティブのように聞き分けます。明確なストライクゾーンと先生の適切な指導。

そのポイントを示された時、その女子生徒はそれを意識して発話トレーニングに向かいます。

課題の自覚→ポイントの自覚→自覚あるトレーニング

このような流れが生まれた瞬間でした。

 

まず、新しいツールを勇気をもって取り入れてくださった里見先生、そしてその指導を信じてトライしてくださった三浦学苑の生徒の皆様には感謝をしております。

 

このように、AIはあくまでもツールですが、うまくツールを使うことで指導が活性化することは十分あると思います。

トレパ公式サイトにて、「無料トライアル」(期間限定)を承っております。ぜひ、指導に活用いただき、実践した内容についてお知らせいただければと思います。

 

 

■関連情報

①トレパ公式サイト(トライアルも申込ができます。) https://torepa.jp/

②【2月21日】AIによる英語トレーニング教材制作ワークショップ~英語指導につかえるコンテンツを考え、つくる!~
③AINOWへの岡田の寄稿文 http://ainow.ai/2017/12/15/129360/

④トレパFacebookページ https://www.facebook.com/torepa.jp/