Author Archives: 吉田 自由児

About 吉田 自由児

ヒゲこと、株式会社デジタル・ナレッジ 代表取締役COOの吉田がお届けします。 弊社関連の情報だけでなく、eラーニング周辺の話題についても触れます。

新製品を開発中(通称「ナレコ」)

皆さん、ご無沙汰しております。こんにちは、ヒゲです。

1月からblog更新が滞っており申し訳ありません。
ばたばたしておりました。

ここしばらくのデジタル・ナレッジのホットトピックスは、まもなく新製品がリリースされるという話題です。

弊社デジタル・ナレッジは、1995年以来、eラーニングシステムを中心に活動してきており、教育の中でもeラーニングに特化しています。

しかし、ふと目を上げて周りを見渡すと、世の中にはeラーニング以外の学習活動があふれてますよね。

本を読んだり、教室で授業を受けたり、実習に参加したり、ディベートしたり・・・

これらはeラーニングからするとパラレルワールドで、一部「ブレンディッド・ラーニング」などでやり取りはあるものの、基本的には別世界のものです。

昨今、ITの流れが進み、eラーニングが日常の中に浸透していくようになると、学習スタイルも多様になりますし、eラーニングの履歴をそこだけに留めるのではなく、もっと広くとらえて他の学習と併せて評価・判断する必要があるように思います。

そこで我々が着目したのがTinCanです。
TinCanは次世代SCORMとも言われるものですが、APIを経由して、eラーニングはもちろん、他の学習活動についても履歴を搾取しようという企画です。
TinCanについては以前のblogで説明してますので、よろしければ併せてご確認ください。

このTinCanを使って様々な学習履歴を採取し、その学習成果をポートフォリオやタレントマネジメント的に利用しようというのが新しいプロジェクトです。

内部では通称”KnowledgeRecorder“とか「ナレコ」と呼称しております。

ナレコ概要

図示すると上のようになります。

いろいろな学習活動(画面左側)を「プローブ」というもので学習結果を採取し、それをLRS(Learning Record Store)に格納します。

格納された学習履歴は「バッジ」という形でスキルやキャリアを表現します。

このバッジを用いて自身の学習進捗の確認や、大学でいうところのポートフォリオの作成や、企業でいう人事評価やタレントマネジメントに利用できるという仕組みです。

開発の状況ですが、主な開発を終え、ただいま最終調整段階です。

もうしばらく、おそらく、桜の花とどちらが早いかな? という頃に、正式に発表できるのでは? と思っております。

その際にはこちらでもまた紹介しますので、どうぞお楽しみに。

最後に:

本日は3.11、あの日からもう3年が経過しました。

月日は流れるものの時計の針は止まったままです。

改めて亡くなった方のご冥福と、被災された方々の心の平安と復興をお祈り致します。

あけましておめでとうございます(2014年)

あけましておめでとうございます。
ヒゲです。

本日から仕事始めという方は多いかと思いますが、弊社デジタル・ナレッジも本日1月6日が仕事始めです。
ただ、本日はNew Year Reviewという名の新年会を行うため、実際のフルサービスの開始は明日、1月7日の予定です。
今年はeラーニング業界にとって変革の年になるでしょう。
今まで隅っこを走っていた教育システムがここにきて注目されておりますし、
旧来のシステムや運用ではない新しいモデルが生まれつつあるのを肌身で感じております。
そんな気運に乗り、デジタル・ナレッジも「育つ喜びを、すべての人へ」のスローガンのもと、
今年一年も「学びの架け橋」となり、多くの皆様へ教育環境を提供する所存です。
どうぞ2014年もよろしくお願い致します。

設立記念日

皆さん、こんにちは。ヒゲです。

なんだかまたご無沙汰しちゃってすみません。
もう12月も中旬を過ぎ、年の瀬が迫ってきました。
そして、本日12月20日は弊社の設立記念日。今年で19期を迎えます。
人間でいうと満18歳ですか。生意気盛りの青年というところでしょうか(笑)
先日の大学の授業で、ベンチャー企業を説明することがあり、弊社の紹介と歴史を説明しました。
そのときに作成したのが下のページ。
dk設立の地
青山学園大学の真向かいにある、青山アルコーブというマンションの一室で産声をあげました。
24平米の狭いマンションで、この見取り図でみると左側の四角い部屋に、社長のお父さんに作っていただいた緑の大きな机を左下の柱を取り囲むように設置し、そこにMacを並べて作業していました。
当時は私もプログラマをやっており、上の図の青い箱、フランスのジタンというタバコを一日に4?5箱吸ってました。他のスタッフも全員ヘヴィースモーカーだったもので、この狭い部屋は煙だらけ、当時はそれを何の疑問も思わず黙々と(モクモクと?)仕事に打ち込んでおりました。
あれから18年・・・あっという間のような、ずいぶん昔のような気もします。
弊社の変遷を地図で示すと下記の通りです。(詳しくはコチラをごらんください)
DKの変遷
1995年当時が左下(青山)、そこから上の豊島区雑司ヶ谷に移り、画面中央付近の右下の飯田橋へ行き、徐々にビルのフロアを増やしたものの手狭になり画面中央左上の同じく飯田橋へ、そして2011年、現在の地、右上の秋葉原に移転しました。
この19年の間にあちこち転々としました。
いろいろな出会いがあり、いろいろなご支援があり、多くを学び、支えていただき、19年。
誠にありがとうございました。
そしてこれからも、どうぞよろしくお願い致します。

JMOOCがやってきた

皆さん、こんにちは。ヒゲです。

週末は法事のため実家のある福岡に帰省していたのですが、三歳になる姪っ子が七五三を迎えるので、せっかくだからみんなで写真を撮ろうとデパートの写真館に出かけました。

昨今はスタジオアリスの影響なのか、どの写真館も子供の笑顔や目線を取るのに全身でオーバリアクションを取ったり注意を惹きつけるようで、いやはやすごいハイテンションな撮影でした。

その後、大人たちが写真を選んだりするのを退屈してた姪っ子とずーっと遊んでいたのですが、二児のパパである私にとっては日常的にやっているので手馴れたものです。
出来るだけ周りに迷惑をかけず、かつ姪っ子も喜んでくれるように遊んでおりました。
すると、写真館の方が私に「学校の先生ですか?」とたずねてきました。
(これまで、オペラ歌手? と訊かれたことはありますが、学校の先生と言われたのは初めて)

いやいや、ただ、同じぐらいの年の娘たちがいるので、慣れているだけですよ
と答えましたが、実は、そんなに外れてはおりません。
というのも、この秋から、大学講師デビューをいたしたのです。

ひょんなことから声がかかり、
東洋学園大学で「情報通信業界で働く特講」という講座を担当しております。

これまでもセミナーや講演などで人前で話すことはまあ結構ありましたが、大学の授業をフルに持つのははじめての経験です。
私はeラーニング屋さんですので、実際に学生相手に授業を行うというのをやってみて、どういう感じなのか、課題はあるのか、というのを体感したいというのもありお引き受けしました。

90分の授業にあわせてPowerPoint資料をつくっておき、学生相手に話をしております。
10人程度と少人数なので、全員の顔を見ながら話ができるし、ときどき学生を指名して考えや意見を求めたりしていますので、比較的やりやすいです。
ただ、私が詰め込みすぎる傾向があり、授業の終盤は毎回バタバタです。
こういうの、本職の先生はちゃんとなさっていてすごいなぁと思う次第です。
今日も夕方に授業があるので、大学に行ってきます。

さてさて、閑話休題

今回はそんな大学に関連した話題。
大学の授業配信の変革のひとつ、JMOOCの紹介です。

MOOCsって聞いたことありますか? 最近NHKのクローズアップ現代でも特集が組まれたりしたのでごらんになった方も多いかもしれません。

MOOCはMassive Open Online Course
 の略でして、スタンフォードやMIT、ハーバードなどのアメリカの一流どころの大学が、講義の映像や資料をネットで原則無料で公開しています。つまり、世界中の人が、ネットにつながる環境さえあれば、誰でも一流大学の講義が受けられるというものです。

MOOCsにより世界全体の知識レベルが上がるということもありますし、大学側からすれば知名度向上や、優秀な学生を世界中から青田買いできるというメリットもあり、世界の主要な大学がこぞってこの動きに乗りつつあります。

MOOCsの主な提供元はスタンフォード発祥のCoursera、MITやハーバード発祥のedX、主にコンピュータサイエンスのUdacity、その他にもAppleのiTunes UもMOOCsのひとつといえるでしょう。
(この仕組みをMOOCsと複数形になっているのは、これら提供元が複数あるからです)


日本の大学で言いますと、東京大学はCourseraに、京都大学は
edXに参加しております。

ただ、これらMOOCsって、授業が全部英語なんですよね・・・
MITやハーバードから配信される内容も当然英語なわけですし、東大や京大もしかりです。

日本の学生や学びたい人には、英語で授業を受けるのはかなりの苦痛(苦行/ちんぷんかんぷん)でしょう。


そこで、日本は日本で、このMOOCの考えを広めて、各大学の授業を配信しようじゃないか、という動きが現れました。そうして今月、日本版MOOCsであるJMOOCが発足したのです。
(JMOOCのJはJapanです。ご推測どおり)

JMOOCにより、大学の質の高い講義が収録され、このアーカイブが公開されます。

これにより、受講者は質の高い「日本語での」授業をいつでもどこでも受けることができます。

大学生が(単位互換制度などを利用して)他大学の授業を受けることもあるでしょうし、中高生が前もって大学の授業に触れる機会もあるでしょう。専門的な知識を身につけるだけでなく、自分の入りたい大学の講義を事前に受けることで、大学での学びのイメージが湧きやすいですし、目標設定をするのに役立つかもしれません。
働きながら学びたい人にも朗報です。学校に通わなくても自宅や外出先などで学ぶことができますし、自己実現のために学ぶことがしやすくなるのではないでしょうか。
退職した人がもう一度大学で学びなおすということも比較的しやすくなるでしょう。若いころには学べなかったこと、今だから感心があることを改めて学びなおすのは豊かな人生を送るのに必要だと思います。

大学側としては、知名度向上や学生の確保といったパブリシティ効果もあるでしょう。
そもそもの対面授業においても、学生が事前にJMOOCの講義を見て授業に臨み、授業中は事前講義を見た前提で課題にあたったりディスカッションを行うという、いわゆる「反転授業」を行うインフラとしても使えます。

先々、アジアをはじめたとした世界中へ配信することで日本の大学の学びが広がり、また留学生を呼び込みやすくもなるでしょう。

企業としては、従業員の研修としてJMOOCのコンテンツが使えるというのもありますが、人材確保として、その企業に関連する講座を学ぶ人に採用活動を行うこともできるかもしれません。

これら、新たなパラダイムが生まれる可能性をJMOOCは秘めていると思います。

既に多くの大学が講義配信を予定しており、実際のJMOOCの講義は来年春からスタートします。

弊社もJMOOCの正会員として、活動を支援していく所存です。
各大学さんを支援するプログラムも計画中で、近日中にリリース予定です。

ぜひこのMOOCs/JMOOCの動きに注目ください。

■参考サイト:JMOOC  http://www.jmooc.jp/