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About 吉田 自由児

ヒゲこと、株式会社デジタル・ナレッジ 代表取締役COOの吉田がお届けします。 弊社関連の情報だけでなく、eラーニング周辺の話題についても触れます。

日々の生活の中で、どのように学習習慣を根付かせるか? メールでの学習という考え方

11月も末になりました。今年は直前まで夏を思わせる記録的な暑さが続き、それからガクンと寒さがやってきました。夏から冬の間の心地よい間奏曲、グラデーションとして秋がもはや消滅してしまったかのような秋でした。四季から二季への移行するのでは?と真剣に心配になったほどでした。

さて、11月初旬にオンラインラーニングフォーラム2023が開催されました。

オンラインラーニングフォーラムでは、革新的な技術やコンテンツ、eラーニング活用事例の応募作品から選ばれる「日本e-Learning大賞」をはじめ、経済産業大臣賞、総務大臣賞、文部科学大臣賞、厚生労働大臣賞などの賞の発表や授与を中心に、セッションによるさまざまな有識者、関係者の講演や事例紹介を行なっております。

コロナ前は「eラーニングアワードフォーラム」として開催していましたが、数年前から装いも新たに、オンラインを主軸とした会に模様替えしております。今年の開催はすでに終了しておりますが、今回は、このフォーラムで私が講演した内容から一部をピックアップして紹介します。

私のセッションとしては「教育関係者、企業研修担当者必見!教育ICT最前線 ~AI・テクノロジの最新動向とデジタル・ナレッジの取り組みとは~」というテーマでお話ししましたが、今回はこの中から一つ、日常の中でコツコツと学びを定着させる「メールラーニング」について紹介します。

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教育研修の最大の課題の一つ、どのように学習者に学習を促し、学習完了してもらうか?

eラーニングの研修ご担当者を悩ませる課題の一つに、学習者のモチベーションを高め、どのように学習者に学習を促し、学習完了してもらうか?という課題があります。何も対応しなくても学習者自ら学習コースを選択し、日々学習を進め、期日より早く学習を終了させる・・・ というのは多くの場合、夢のまた夢です。

研修ご担当者の方は、学習者が円滑に学習を進めてもらえるよう、受講案内を送ったり、受講期限前に案内して催促したり、レポートをまとめて上司に報告したり、さまざまな手段を講じます。

これを自動的に行うことも可能で、例えば弊社のAMS(Automatic Mentoring Scenario)をご利用いただくと、あらかじめ受講者に案内を送りたいタイミングとその内容をシナリオとして設定しておくと、そのシナリオに従って自動的にメールで個別に案内メールを送ることができます。

受講開始になったら「IDとパスワードはこちら」と受講案内を送り、初回学習をしたら「お疲れ様でした」、一定期間、たとえば一週間学習進んでいなかったら「最近どうですか?」、受講期限2週間前で進捗が半分以下の人に「そろそろ終わりですが、いかがでしょう?」、受講期限1週間で未完了の人に「あと一週間で終わらせるよう頑張りましょう」、受講期限1日前に「明日終了です」、終了した人に「お疲れ様でした」・・・ こういうふうに条件と対象者、メッセージ内容をパーソナライズしてメールで送ることができます。一度シナリオを作ってしまえば自動でメール送信してくれるので結構便利です。

これをさらに進めて、教材そのものをメールで送ると便利なのでは? との思いで開発したのが「デイリーラーニング」機能です。

デイリーラーニングの概要

この度弊社でリリースした「デイリーラーニング」は、テスト問題などの学習教材を毎日、メールで配信するというものです。管理者や教材製作者はLMSの教材を配信設定しておくことで、対象学習者にメールで教材を届けることができます。

学習者はお使いのGmailなどのメーラーからメールを開くと、そのメール本文に教材が埋め込まれていて、テスト問題ならそのメール上で問題に取り組んで解答することができます。正誤判定や解説教材もメールで見ることができ、学習システムを利用せずともメールだけで学習を完結させることができます。

メールラーニングの流れ

毎日送信されるメールを使って学習を行うメリット

このデイリーラーニングを活用することで下記のようなメリットが生まれます。

  • 学習の障壁を取り払う: 従来のeラーニングのみで学習を提供する場合、学習者が「学習するぞ!」と決心し、パソコンを開いてURLから学習システムのログイン画面を開いて、ID/パスワードを入力し、教科選択して、目次から今日行う学習項目を選択する・・・ このような決意と行動が必要です。これにはかなりの動機、やる気、根気が必要です。デイリーラーニングではメールを開いて学習に取り組む手軽さで学習でき、学習に向かう障壁を取り払うことができます。
  • 日々、空き時間にコツコツと: デイリーラーニングは毎日少しずつ教材をメールで配信してくれます。学習者は日々の生活の中で、普段使いするメールソフトに届く教材を毎日少しずつ取り組むことで、学習が習慣化し、学習内容への意識も高まることが期待できます。 
  • 学習の偏りをなくす:大抵のeラーニングコースって、終了日の多くが学習期限の直前じゃないでしょうか? デイリーラーニングで定期的に学習促すことで、期間中まんべんなく学習を進めることができるようになり、期限直前の駆け込み受講を軽減することができます。

このように、「普段使いのメールソフト」で「毎日コツコツと」学習することで、通常のeラーニングなどの学びスタイルでは得られない効果が得られることでしょう。なお、このデイリーラーニングは弊社のLMS:KnowledgeDeliverでご利用いただけますので、ご興味ある方はお問い合わせください。

弊社での活用:Pマーク・ISMSの全従業員教育で利用しました

このデイリーラーニング、実際に使ってみないことには真価のほどは分からないということで、お客様に提供する前に、弊社内で使ってみることにしました。

ターゲットは、弊社で取得しているPマークとISMSの研修です。取得されている企業さんならお分かりだと思いますが、これらの認証を維持するために全従業員への教育は不可欠です。

認証を取得/維持するために全従業員がちゃんと学習したというエビデンスを示すのにeラーニングは適しています。いつ誰がどのような学習を行なって何点でした、というような学習履歴をエビデンスとして示せばいいわけで、多くの企業さんでeラーニングが導入されていると思います。

ただ、このような全社教育は、受ける側からすると、ちょっとプライオリティ落ちる学習だと思われているのではないでしょうか。学習期限ギリギリで教育担当者の方から「まだ学習が完了していません! 早く完了させてください!」という催促の案内がきて、渋々取り組む・・・ こんな運用を行なっていませんか? (ええ、弊社はそうです・・・)

そこで今回はデイリーラーニングを活用し、日々Pマーク/ISMSのテスト問題を送付するようにしました。私のところにも下記のようにGmailに毎日テスト問題が送信されてきました。

実際に学習者として取り組んでみると、1日1回送られてくるメールを開いてメール本文に記載されている課題に取り組むことで、だんだん学習は進むし、メールをチェックする合間にサクッと学習できるので、特に負担にはなりませんでした。また今日は時間があるな、とか興味がある学習内容だと、そのままクリックしてeラーニングシステムで続きの学習を行えるのもよかったです。

社内では総じて高評価でしたし、リマインドを人が運用するよりずっとスマートに学習を行うことができました。

ダブル受賞:第8回『IMS Japan賞』優秀賞、第四回『AES Global Award賞』Platinum賞

このデイリーラーニングはおかげさまで第8回『IMS Japan賞』の優秀賞と第四回『AES Global Award賞』のPlatinum賞をそれぞれ受賞しました。

この機能を開発した弊社サービス推進事業部シニアエンジニア 畠山が表彰式に出席し、また記念の講演も行いました。畠山くん、お疲れ様でした! おめでとうございます。

ぜひご活用ください

というわけで、今回は、毎日メールで教材を送り、メール上だけで学習を行うことができるデイリーラーニング機能を紹介しました。

企業研修での日々の中での少しずつの学習を促進したり、資格取得やスキルアップのための教育サービスで学習を習慣化させる施策として導入したりと、学習のきっかけ、日常への学習の浸透、日々の学習習慣化など、様々なメリットが期待できることでしょう。ぜひこの機会にデイリーラーニング、ご検討ください。

おまけ

日々コツコツ積み上げることの大切さを先日実感しました。下記の映像は私がつい先日吹いたInterplayという曲です。ジャズピアニストのビル・エヴァンスの曲で、アルバム”Interplay”での演奏が最も有名です。オリジナルの演奏ではトランペットをフレディ・ハバートが吹いています。

僕は大抵の曲は数回吹くと、長くても1時間もあれば、ある程度テーマを吹けるのですが、どういうわけかこのInterplayという曲に関しては取り組んだ初日は壊滅的に吹けませんでした。メロディがちょっと入り組んでいることと、シンコペーションが複雑で、テンポも少し早いので指がもつれそうになるのです。

そこで10日間ほど、毎日少しずつテーマの練習を積み重ねていきました。当初はほとんど通して吹けなかったところが、だんだんと自分の体にテーマが染み込むような感覚で、少しずつマスターしてきて、スコアを見なくても通して吹けるようになりました。

下記の映像は練習10日目ぐらいの成果。うまいわけじゃないけれど、一応テーマはそれなりに吹けるようになりました。日々コツコツ積み上げるのって大事。

参考資料

吹き込まなくてもOK! 教材の解説をAIの音声合成で

暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったもので、この永遠に続くと思われた暑さも9月下旬には一旦収まったようです。その後も暑さが盛り返すこともあったものの、今はもう秋の気配、10月に入ると朝晩は過ごしやすくなって来ました。それにしても今年は文字通りの記録的な暑さ、今年は本当に暑かったですね。

暑さといえば、弊社はこれまで9月の土日に社員合宿を行なっていたのですが、昨今のコロナ禍の影響で全員で泊まり込みは難しいので、ここしばらくは日帰りのイベントを開催しております。さらに近年は9月でも真夏のように暑く、合宿の野外イベントで体力を消耗し汗だくになるというので、10月開催に変更しました。今年も10月に日帰りで開催されますが、地球温暖化の影響がここまで来ているのかと思わされます。

さて、今回はKnowledgeDeliver 7.2から搭載されたオプション機能「スライドオーサリング音声合成機能」のご紹介です。

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IRTを実装しました/様々な成績評価とデジタル・ナレッジ風IRTの活用について

昨年末に弊社の基幹のeラーニングシステム(LMS)をメジャーバージョンアップしKnowledgeDeliver7(通称”KD7″)をリリースしました。このKD7のコンセプトの一つに「インテリジェント&スマート」があります。

従来からのeラーニングは、熟練した教員や教材開発者によってよく練られて構成されたカリキュラムに忠実に従うことで学習効果を最大化するというものですが、ただ学習者の理解度や傾向によって意図したように理解が進まなかったり学習目的からの乖離や学習者の実力と教材のレベルのギャップが生じることが起こりえます。一人ひとりにあったカリキュラムや教材ではなく、全員が同じ教材を利用するのでこのギャップはどうしても生じてしまうのです。

この課題に対してデータ分析やAIテクノロジを活用することで解決できないかというのがインテリジェント&スマートというコンセプトです。代表的なところではアダプティブ・ラーニングと言われる適応型学習があり、学習者の成績や結果をもとに一人ひとりに最適な学習プランを最適化して提示するというものです。

アダプティブの例

このアダプティブを使えば、さまざまな学習者に個別最適な学びを提供できそうですよね。

今回はそんなインテリジェント&スマートの一つの柱であるIRTについて紹介します。

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教育におけるChatGPTとの付き合い方の一考察

GPT

先日のEDIX東京2023は、お陰様で多くのお客様にお越しいただきました。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。特に弊社の教育テクノロジ研究所 シニアフェローの秦が登壇したブース内セミナー「ChatGPT・AIの教育活用事例」は大盛況でして、連日通路を塞ぐほどの大勢の方にお越しいただき、改めてChatGPTの関心の高さを実感しました。

ChatGPT、関心高いですよね。これまで一部のエキスパートが担っていた知的労働の領域もAIが担うようになり放逐されるんじゃないか? 大学で学生がChatGPTを使ってレポートや課題を書いて提出すると、それを見破ることはできないんじゃないか? 以前のブログ(ChatGPTをeラーニングの教材制作に使ってみたら)でも紹介したように、うまく活用すると教材制作などにそのまま使えちゃうのではないか? などなど、ChatGPTの影響の大きさに、ポジティブ・ネガティブ双方の要素が糾える縄の如く存在し、一つの切り口で語るのが難しいものだと思います。

今回は、私なりの見解から、我々教育ITの世界でChatGPTやBing AI Chat/Bardなどについて、どのように考えているか? 付き合っていこうと思っているかについて書いてみます。この領域は変化が激しく昨日の非常識は今日の常識ということも往々にしてあるので、あくまで2023年5月23日時点の一個人の見解として、参考程度に留めておいてください。
(以下、便宜上、ChatGTPと書いてある箇所のほとんどが、BingやBardなどの生成型AI全てに当てはまります。この文章を書いている2023年5月23日現在においてはChatGPTが突出して有名/人気なので、代表例としてそう記載します)

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EDIX東京2023出展記念、デジタル・ナレッジの出展内容チラ見せ

今日は2023年5月9日、一昨日まではゴールデンウィークで、弊社は有給休暇取得奨励日を含めて9連休でした。連休いかがお過ごしでしたでしょうか?

私は家族で京都を旅しておりました。受験や仕事で京都を何度も訪れているものの、観光として来たことはなく、子供たちは京都には来たことがなかったので、京都初心者コースとして定番の観光地である金閣寺・銀閣寺・清水寺・龍安寺などを訪れました。海外からの訪問客は多かったものの、GW前半でまだ国内からの観光客は少なめで、いずれもそれほど並ばずにゆっくり見ることができましたし、御朱印も並ばずに書いていただけました。これらお寺巡りだけなく京都の碁盤の目の街を歩くのも楽しくて、事前に子供達と覚えた通り名を覚える歌「♪まるたけえびすに おしおいけ」と歌いながら京都の街を散策するのも楽しかったです。

というGWも昨日で明けて、ふと気づくと明日5月10日から教育テクノロジ業界最大のイベントであるEDIX東京が開催されるではありませんか。連休前から準備を進めておりましたが、GW明け、最後の仕上げに社内は忙しく準備しております。

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