皆さん、こんにちは。ヒゲです。(と、今回から名乗ってみます。詳しくは後述)
装いも新たに再スタートした『デジタル・ナレッジ eラーニング ラボ』ですが、
前回の投稿で早速うちの社長から投稿がありました。
今のところ、テクノロジー面や与太話は私が担当をし、
教育効果や教育に対する考え方については「はが」が担当することになるかと思います。
といっても、あまり厳密に線引きをしているわけではないので、クロスオーバーしたり、ぜんぜん違う話に脱線したりはありうると思いますが、blogという特性上、ご容赦ください。
その他にも担当が増える可能性がありますので、その際はまたご紹介を致します。
複数の人が書くと、わかんなくなる可能性があるので、私の書き込みの場合は今後「ヒゲ」とでも名乗っておきますんで、どうぞよろしくお願いします。
(ついでに、脱線が多いのがヒゲの特徴ですので、暖かい目で見守ってやってください)
さて、今回はサーバについて。
eラーニングのほとんどはサーバにアプリケーションやデータベースやコンテンツがあり、それをインターネットもしくはイントラネットなどを利用して各受講者環境に配信をしたり、受講結果を収集してサーバにデータとして蓄積したりします。
このサーバをどう誂えるか? というのは導入を進める上では必ず通るポイントです。
サーバって専門っぽいし、私には何のことかよくわからない・・・ 得体が知れない、怖い・・・
とおっしゃる方は多いと思いますが、難しく言ってるだけで要するに皆さんが使っているパソコンとさほど違うものではありません。ただ、その僅かな差のためにサーバはサーバで一般のパソコンとは違う進化をしています。
たとえて言うと、一般乗用車とスーパーカーの違いということでしょうか。見た目は同じようなものだけど、一般乗用車は万民が乗って快適に過ごせる車、スーパーカーは特殊技能を持ったドライバーがコンマ1秒でも速く走るためのもの。
走る・曲がる・止まるという基本的な機能や、エンジン・ステアリング、シャシー、ブレーキなどの構成パーツの種類は同じようなものですが、求めるニーズの違い(市街地を快適に走る/時速250km/hぐらいで速く走る)で、求められるスペックや価格、手法やパーツの構成がまるで違うのと似てます。
そんなしちめんどくさいことはさておき、じゃあeラーニングをやろうというときに、決めるポイントがいくつかあります。
まず、乱暴に言ってしまうと、まず、サーバ提供形態には
という2つの選択肢があります。
自前で持つというのは、学校や企業の中のイントラネットにサーバを構築するというものです。
なにせイントラですので、特定の場合を除いて外部からの閲覧は出来ず、逆に言うとイントラに囲い込んでいるので、個人情報や教材内容が外部に漏れる恐れが比較的低い提供形態です。人事データベースと連携して情報連携しましょうというときにも、お隣に人事データベースがあったりするので構築は物理的には楽に出来ます。
機密情報を扱うeラーニング、特に企業研修ではこの形態をとることもあります。
ただ、サーバ管理の作業は情報システム部門など内部で行なう必要があるので、そこをきっちり自前で行なう必要があるということと、eラーニングにかかるトラフィックやポートなど、情報システム部門といろいろ調整する必要があるので、それなりに骨ではあります。
それに、内部からの受講には使えるけど、外部(外出先や自宅など)からの学習は、VPNなどのイントラに接続できる環境を構築するか、サーバがインターネットに接続されていないと困難、というのがあって、ここはバーターでどっちをとるかを決める必要があるということです。
そこで、外部に置くという発想が生まれてきます。外だしすれば外部からの閲覧は問題ありませんよね。
これにも様々なレベルがあります。代表的なものを書いてみます。
- 外部のデータセンターに場所を借りて、自前のサーバを購入し自前で保守
- 業者に委託し、専用サーバを設置してもらい、運用管理を委託
- 業者に委託し、共用サーバの一部領域を借り上げて、運用管理を委託
ざっくり言うと、こんなバリエーションでしょうか。
外部データセンタ+自前サーバ+自前保守は相当なスキルが求められますが、自前で好きなようにサーバ構築ができるので、まあやりたい放題、好きに出来ます。規模が大きくなったから負荷分散して複数台で運用だとか、カリカリにチューニングしようとか、間に業者が入って利益を持っていかれるのは面白くないんで自前で全部やっちゃうぞ、とかいう向きにはうってつけです。
自動車をキットから作っちゃってカスタマイズしちゃうような人ですね。
ただ、これ、結構大変ですし、サービス落ちたら? 機材壊れたら? などなど、考慮することがたくさんあるので、腕に覚えがあるとか、既にそういう設備を持って運用しているとか、そういう方ではないとオススメはできません。
業者委託+専用サーバ+運用委託は効果としては前者と似ていて、自分で使える領域がサーバ1台ごと丸々使えるので、負荷が高い場合や、やりたい放題したい場合にはこの選択肢はなかなか良いでしょう。これを「ハウジング」というケースもあります。
おまけにめんどくさいサーバ運用も業者でやってもらえるので「手ぶらでスキー」感覚(古っ!)です。
車をリースする感覚でしょうか。
中には、「他社のサービスと混ぜるのは会社の方針にそぐってないので専用サーバを選択せざるを得ない」という場合もあります。その場合はこの選択肢となります。
ただ、1台丸々借り上げるので、そんなに使わないのにコストがかかるなぁというケースはあります。
(週末にしか乗らないリースの車は金額があほらしい)
そこで、業者委託+共用サーバ+運用委託が生まれるわけです。自前でがしがし使わないけど、それなりに使うんで使う分の領域を確保して使わせてもらうという感じです。これを「ホスティング」と言ったりします。
無理やりイメージで言うとレンタカーを使う感覚でしょうか。
最近ではサーバ性能が向上したので、この形態でも充分な性能を発揮できる場合も増えてきてますし、各社から出ているサービスも価格が下がっているのでお得なスタイルだと思います。
さて、
これら、外部のサーバを利用する場合にも、サーバ領域だけを借りるケースと、アプリケーション込みでサービスを借りるケースがあります。
後者は「ASP」や「SaaS」などと言いますが、サーバ構築・運用だけでなく、導入アプリケーションの構築・運用まで手ぶらでやってくれるのでサービス内容がニーズにあっていれば安価に安定して手軽に利用できるスタイルです。
たとえていうと、タクシーみたいなものですかね。
車の構造や運転を知らなくても目的地を告げると勝手に送り届けてくれるという感じです。
さらにここ最近勢力を伸ばし、次のサーバ技術の本命といわれているのがクラウドです。
雑誌などで特集記事が頻繁に組まれていますので、ご存知の方も多いでしょう。
これは、クラウドを行なう業者さんが大量のサーバ環境をストックしておき、その領域をみんなで共用しましょうというものです。
業者さんは大量に調達することで安く提供できるだけでなく、大勢で設備を共用するので、あまり使っていない資源は他の人が使うなど、サービスが伸び縮みするので、結果総投資額が少なくなり、コスト的に安く提供できるというものです。
イメージでいうと乗り合いバス。
バスの運賃を払えば目的地に安く送ってもらえる。でも他にも乗客がいるしバス大きいけど共用だよ、という感覚です。
このクラウドの大本命はAmazon EC2というサービスです。
本のネット販売で有名なあのアマゾンが、こういうサーバのサービスもやっているのです。
リリースされた当時はサーバ業界に激震を与えました。
なにせサーバ環境がかなり安めに提供されてるし、使った分の費用だけ払えばいいという価格体系も、そういうニーズを持った人にはうってつけのサービスです。
今のところAmazon EC2はサーバがアメリカやヨーロッパにあるんで日本からの接続速度が遅かったり、安定性が他に比べて低かったりしますが、アジアにも進出してくる予定らしいですし、こういうネガティブな部分は徐々に消えてくるものと思われます。
弊社でもいくつかのサービスをこのAmazon EC2を利用して提供しています。
使った感じですが、主にネットワークに起因することですが(アメリカ=日本で通信を行なうので)もっさりしていることを除けば、まあそれなりに安くて快適に利用できていますし、お客さんからも特にクレームを言われたことはありません。
そもそも「このサーバは落ちる可能性が高い」と思って構築するので、知恵を出せば活用方法はいろいろあります。
また、Amazonに限らず、他社もこのクラウドに追随しているので、同じクラウドといっても様々な特徴が生じ、選択の幅が広がるのもメリットです。
以上のように、ひとことで「サーバ」と言われるもののパターンを羅列してみましたが、
「サーバ」にもいろいろあるなぁというのがお分かりいただけたかと思います。
車のたとえで違いを説明しましたが、うーんこれって分かりやすいのかどうか微妙だなぁとか思っちゃいましたが、私のつたない説明でもご理解いただけましたでしょうか?
サーバは黒子で、テクニカルなことだし、何をやっているかよくわからなかったりしますが、
内容を細かく理解いただく必要はなく、それでよいと思ってます。
ただ、eラーニングを導入する際には、これらメリット/デメリットを理解した上で
最適なサーバ環境をお選びいただだければと思います。