皆さん、こんにちは。ヒゲです。
今日は立春です。暦の上では今日から春が始まるということになってます。
そのせいか、今日の東京地方は冷え込みがすこし緩んで暖かささえ感じます。
一般的にはこの時期は一年で最も冷え込みが激しい季節なんですけどね。
今日が立春ということは、昨日は節分です。そう「鬼は外、福は内」の豆まきの節分です。
我が家でも節分しました。
私が鬼のお面をかぶりオニの役をして、三歳になる娘に豆やチョコレートを投げられました。
「いたいいたい」と逃げる鬼(パパ)、それを笑いながら追いかける子供、という微笑ましい図が展開されてました。
(妻も豆まきしたのですが、なんだか日ごろの鬱憤を投げつけられているような気が・・・)
ごほん。
まあ、細かいことはさておき、子供がいるとこういう季節のイベントをするのでいいですね。
すごくどうでもいいけど、めがねの私がお面をかぶるときに、めがねの上にお面をかぶるか、お面の上にめがねをかけるかで悩みました。結局めがねの上にお面をかぶりましたが、変な所にメガネがあたって痛かったです。
さて、今回はeラーニングの歴史をちょっと振り返りです。
このサイトをごらんの方は多分「eラーニング」という言葉をご存知だと思いますが、今や「eラーニング」という言葉は広く使われていて一般への普及もそこそこしていますし、最近ではテレビコマーシャルに使われるほど認知される言葉になってます。
このeラーニングという言葉、当初よりこういわれていたわけではありません。ここ10年ぐらいの言葉です。
今回は言葉の変遷という側面からeラーニングに至る流れを見てみたいと思います。
- CAI ・・・ Computer Aided Instruction / Computer Assisted Instrunction
コンピュータを用いて行う教育。概念/研究は1950年代~
コンピュータというツールができたから、これを使って何か学習に役立てられないか? という考えの下にさまざまな試作が行われてきました。単純なテストのドリルシステムからシミュレーション、推論システム、授業のライブラリ化など、さまざまな可能性が試されました。
ちなみに、私が学生時代属した研究室は、2つの班に分かれていて、片方を「暗号班」もう片方を「CAI班」と言ってました。私は「CAI班」に属しており、当時は力学問題をPC上で解かせて、そこから学習者の弱点を推論し指導する、というシステムを研究しておりました。
言葉としてはCAIというものは今も残っています。
- CBT ・・・ Computer Based Training
コンピュータを使ったトレーニングという意味だが、狭義の意味ではCD-ROM教材をパソコンで実施(1990年代~)
インターネットに接続することは前提にしておらず、むしろオフラインで利用。
当時、マルチメディアを活用したコンテンツ/ツールが各種リリースされました。教育関係のソフトをエデュテーメントとかいう言い方もしてました。
特にマッキントッシュの世界でこの流れは顕著で、各種タイトルやソフトがリリースされてました。
個人的には子供向けお絵かきソフト『キッドピクス コンパニオン』とか動く絵本の『おばあちゃんとぼくと』などが印象に残ってます。
現在でも「オフラインで専用ソフトを使って学習」というニュアンスでCBTという言葉を使うことはあります。
ちなみに1990年の流行語大賞の新語金賞は「ファジィ」だそうです。
- WBT ・・・ Web Based Training
Webブラウザで学習。今のeラーニングの前身(1995年ごろ~)
サーバに乗せられたシステムやデータベースを使ってコンテンツやページを表示し、それをクライアントのパソコンのブラウザで学習するという、今のeラーニングの原型です。
今はほとんどこの言葉は「eラーニング」に置き換わっています。
たまに官公庁さんなどで見かけるぐらいになりました。
初期のWBTの企画にAICC(Aviation Industry Computer-Based Training Committee)というのがありました。これはアメリカの航空業界で利用するシステムを統一化して、会社の違いがあっても学習コンテンツ/システムを相互運用できるようにしようという規格です。もともとは1988年ごろ設立され、CBTの規格化を進めてましたが、1998年にWBTとしての規格もリリースされました。これは現在も使われるSCORMの元になったものです。
ちなみに、似たような言葉に「TBT(Technology Based Training)という言葉がありましたが、こちらはあまり普及しなかったように思います。
ちなみに、1995年の流行語に「インターネット」が上がってました。そういう時代だったのですね。
- eラーニング
1990年代後半~ (eラーニング元年:2000年といわれていた)
前記のWBTとほぼ同じ意味ですが、言葉を差し替えただけという印象が少なくとも私にはあります。
IBMが「eビジネス」という言葉を1990年代後半に提唱して以降、”e”を頭につけた言葉は大流行しました。その流れでWBTもeラーニングという言葉になったのでしょう。
この変遷、単に言葉が変わったというだけでなく、今まで特殊で専門的だったものから、一般の人が広く触れメリットを享受できるようになった、ということは評価に値すると思います。
ちなみにeラーニング元年として2000年を挙げることが多いです。
たしかにこの頃から徐々にeラーニングという言葉や概念が広まっていった感じがします。
ちなみに2000年の流行語大賞は「IT革命」だそうです。なるほど。
駆け足で振り返ってみました。
いま広まっている”eラーニング”という言葉は、たかだか10年ぐらいの言葉なんですね。
eラーニングに至るまで、さまざまな変遷がありました。
デジタル・ナレッジは1995年に設立以来、一貫して教育関係のシステムを開発してきておりますが、この流れを肌身で感じております。
まだこういう学びのスタイルが普及しない頃からコツコツ積み上げて今に至っておりますが、振り返ってみると、いろいろな思い出が走馬灯のようによみがえってきます。
といって、過去に浸るわけにもいきません。
次の一手、eラーニングの次にくるものを「教育IT」という観点から考えていきたいと思ってます。
フリージャズの開祖のひとり、オーネット・コールマンは、アルバムに”The Shape of Jazz to Come“(ジャズ来るべきもの)というタイトルをつけて世に問いました。
アルバムの出来はともかく(私の好みではないというだけなのですが・・・)、タイトルといい内容といい、なかなか刺激的で、ひとつのブレークスルーになったもので、その後のジャズのあり方に影響を与えたものでした。
ときとしてこういうエポックメーキングな出来事って、どの世界にもあるものですね。
eラーニングもそろそろ”The Shape of e-Learning to Come“を作っていく必要がありそうですね・・・