Monthly Archives: 8月 2012

動画講義コンテンツをGoProで制作できるか試してみた

皆さん、こんにちは。ヒゲです。

いやぁ、それにしても暑いです。
連日30度越え、日によっては35度を越える日も珍しくない日々が続いてます。
最高気温32度と天気予報でいわれると「今日はちょっと涼しいなぁ」と思うくらい感覚が麻痺してます。
沖縄育ちの私が言うのもなんですが、東京は灼熱です。
ちなみに、沖縄の友人が東京に来ると「東京は暑い!!!!」と言います。
なんでしょうか、東京の暑さは熱がこもってる感じです。
さて、今日は映像撮影についてのお話です。
ここ数年、eラーニングのコンテンツのメインが動画になっています。
スライドやFlashアニメーションではなく、大画面の映像をどーんと見せて学習するというスタイルがそれなりに広がり浸透しているように思います。
これには
  • 教員/講師の負担が少ない(従来の授業のやり方そのままが電子化できる)
  • PCやスマフォで動画を閲覧することにユーザが慣れた
  • 動画ファイルはエンコードの工夫でマルチデバイスに配信できる
以上のような背景があるように思います。
そういうわけでeラーニングのコンテンツとして動画が多く取り上げられる機会が増えてますが、そうなると動画コンテンツを手軽に、大量に撮影しなければなりません。
一部のコンテンツはスタジオでがっつり撮影するというのはありでしょうが、すべてをスタジオ撮影にするとコストも手間もかかってしまいます。そこで手軽に撮れる方法も検討しておく必要があるのです。
講師がひとりで手軽に撮影でき、それなりの品質で収録できるもの・・・
家庭用ビデオカメラで撮影するという手はあると思います。品質も高く値段も抑えられるので、これは手としてあります。
もうちょっと何かないかな? と思い、先日ひらめいたのが、GoProというカメラ。
これ、もともとは自転車やカーレース、サーフィンなどのスポーツをプレイヤー視点から録画するカメラです。
近頃のバラエティ番組でバンジージャンプするときにヘルメットに装着して体験者の見た目で映像を撮ったりしますが、ああいうのに使われているカメラです。
これがその例です↓(クリックしてください)
最新版のGoPro HD HERO 2では、HD画質で録画できますし、画角が170度と驚異的な広さを持つので、講義を撮るには悪くないなと思って試してみることにしました。お値段も3万円程度とお手軽に購入できます。
もともとスポーツ撮影用とあって、ヘルメットに装着するパーツがあったり、防水だったりと、授業収録用だけで考えるといささかスペックが極端に寄ってますが・・・
GoPro HD Hero2には、本体性能はかわらないものの付属パーツが異なるエディションがいくつかあり、今回購入したのはモータースポーツ・エディションというもの。
本来は車のボンネットなどにつけるであろう、大きな吸盤のマウントがついています。これを机の上にぴたりとひっつけて収録できるんでは? というわけです。
ちなみに透明のカバーは防水ハウジングでして、このケースに入れてぴったりと封入します。裏蓋が標準で2種類ついており、完全に防水にしちゃうのと、スリットがはいっていてマイクの音が拾えるのもあり、今回は防水の必要はないので、スリットが入っているほうを選択しました。
私の手の上に載せてみましたが、サイズ感、おわかりいただけますでしょうか?
(私の手が大きいから参考にならないという意見は、この際おいておきます・・・・)
本体部分だけを見ても、かなり小さいのがお分かりいただけるかと思います。
本体にはSDが刺さるスロットがあり、ビデオ映像はSDに記録されます。SDカードをPCに差せばOKです。
ちなみにボタンは2つのみ。フォーカスはパンフォーカス(すべてにピントがあっている状態)です。
授業収録をするときには、ボタンを1つ押すだけでOKという手軽さです。
ここも比較のため、私の指も一緒に写してます。
(私の指が大きいから参考にならないという意見も、先ほど同様、この際おいておきます・・・・)
さて、このGoPro2を設置してみました。弊社の会議室のホワイトボード前においてみました。
ホワイトボードの前、1mぐらいのところの机の上にピタッと吸盤をひっつけてみました。
こんな状態で設置して、実際にホワイトボードの前でごにょごにょ話してみたのが下記映像です。
設定によって、画角が数パターンあるので、それぞれ試してみました。
画像をクリックすると実際の映像が再生できますのでご確認ください。
一番広い画角のWIDEで撮影してものです。さすがに広角なのでゆがみ(ディストーション)がはげしいです。ホワイトボードの縦の線がぐにゃっとゆがんでいるのがわかります。
まあ広い画面を収録できるけど、ゆがみがかなり気になります。
当初から予想はしていたけど、思った以上にぐにゃっとしてます。何人かに見せてみましたが、「うーん、これはちょっと・・・」という人と「情報量がつめこまれているし簡単に撮れるから、まあいいかもしれない」という人に分かれます。
それではということで、もうすこし望遠によせてみました。解像度によりますが、GoPro2は3つの解像度から選択でき、このNORMALは、真ん中の焦点距離です。
レンズで工学的にやっているというより、デジタルでデータを切り抜いている感じがします。
まあまあの見易さでしょうか。先ほどのWIDEよりは違和感がありませんが、これでもどうしてもディストーションはでます。
最後は一番望遠にあたるNARROWです。
望遠といってもこの機材でいう望遠なのでそんなに望遠というわけではありません。
全体を写すというより、どうしても手元を移すという感じになってます。
ただこの映像、1mぐらいの距離のところにカメラを置いているので、もっと下げたところに置くといいかんじになるのかもしれません。
以上、それぞれの画角で試してみましたがいかがでしたでしょうか? 1m程度の距離でも、ぼちぼちのものは撮れるなぁという感じです。個人的な感想をちょっとまとめてみます。
(これはいい!)
    • GoProは2つのボタンしかなく、簡単に操作できる。パンフォーカスなので、フォーカスをあわせる必要もない。
    • 画質もそこそこいい。ホワイトボードの字も読める程度
    • 広角レンズなので、距離が稼げない狭いところでもホワイトボードの全体が写せる
    • (ありえないけど)水の中や空中などで撮影するのには向いているのでそういうコンテンツならOK
×(これはちょっと・・・)
    • 広角固有のディストーション(像のゆがみ)が出てしまう → 画角の調整でやや改善する。
    • カメラを机の上に設置し、すぐ前に講師が立って講義をすると、ガリバーを見上げる小人みたいな構図になってしまう → カメラ位置重要
    • 音声がこもってしまう → 外部マイク接続したらOKではある。ケースに穴を開けるかスケルトンハウジングが必要
    • GoProそのものには液晶画面がないので、映像の確認、プレビューができない → 別途LCDオプションは存在
    • そもそもオプションをたくさんつけると、普通のカメラでいいんじゃない? という話になる → まあたしかに
以上、これまでの実験結果をみてみました。
どうでしょう、工夫次第では使い物になりそうな気もします。安い機材ですので、ご興味がある方は買ってお試しください。
ちなみに、このマーケットはGoProがほぼ独占状態ですが、他社も参入してくるようですので、そっちも試してみたいですね。