ただいまeラーニングアワード2017フォーラムの最終日でお茶の水のSora Cityに来ています。先ほど弊社の講演が終わりホッと最寄りのスタバで一息ついているところです。
今回のアワードにて弊社は英語4技能対策授業実現AIツール『トレパ』および『AI Training+』の発表を行いました。
2020年の小学校での英語必修化や大学入試改革の影響で、K12市場での英語、とりわけReading / Listening / Speaking / Writingといった英語4技能が注目されています。現場の先生不足や授業運営の難しさなど、なかなか課題は大きいようにも思います。
そこで弊社として何かできないかと考えて生まれたのが『トレパ』です。
トレパは児童・生徒・学生さんといった受講者の方にAIを使った(ほぼ)ネイティブのListening教材を提供したり、設問や対話でSpeakingやWritingにより受講者が回答した内容をテキスト化し、その文法や意味の一致を判定するサービスです。
事前のテストランではListeningも結構評判で、トレパが読み上げる英文は、裏でAIが読んでいるのですが、ネイティブの自然な英語に近いです。少なくとも私にはマシンが喋っているとは思えないですし、弊社のアメリカ人スタッフに聞いてもらっても、全く違和感ないそうです。
Speakingはマイクに向かって受講者が喋った内容をAIがテキスト化してくれます。発音には結構センシティブで正しく発音しないと聞き取ってくれないのですが、ちゃんと喋るとかなりの精度で入力できます。ちなみに私程度の英語力であればちゃんと聞き取ってくれ、”She sells seashells by the sea shore”という早口言葉や、リンカーンのゲティスバーグの演説の冒頭の数センテンスを喋ってみても、問題なく認識されます。
Writingは紙で書いた英文をスマホやタブレットのカメラで取り込み、それをAIが同じくテキスト化してくれます。こちらもまずまずの精度です。ちなみに私の字は壊滅的に汚いので、私の場合は・・・・・・
こうしてテキスト化されたSpeakingの音声やWritingの文章をAIがチェックをします。あらかじめ想定された模範解答と意味がどの程度一致しているかや、文法的に適切かどうかをチェックしてパーセント表示で判定します。
ポイントは模範解答との意味の一致という点で、AIが関与することで、一字一句同じ解答じゃなくても意味を類推し、近しい意味であれば一致率のパーセンテージをあげて表示します。これがAIを使う意味でもあります。
「トレパ」は、正誤の判定を行うテストシステムではなく、トレーニングシステムです。どの程度意味が通じるか、文法が正しいかのチェックをしながらトレーニングを進めてもらう趣旨で構成しています。
さて、教材の提供について説明しましょう。教材提供には2つの方法があります。
一つは教材会社からの提供です。現在弊社では様々な教科書/教材会社さんと調整しており、趣旨に賛同いただきご協力いただける教材会社さんと共に、トレパ対応教材の準備をしております。すでにこれら出版社さんの紙のテキスト教材をご利用いただいている学校さんは、既存の紙教材に完全準拠したListening/Writing/Speakingのトレーニングをトレパを使って行うことができます。
そして、このようなAI教材を先生方ご自身で制作することもできます。
Web画面上からテキストを入力したり、画像を張り込んだり、テキストをAIに読み上げさせたり、解答欄を作り、それを判定させたり、翻訳ボタンを追加したり・・・ そのような教材作成に必要なことが簡単にできるように設計されております。これにより教材会社さんからの出来合いの教材だけでなく、先生ご自身によるオリジナル教材やトレーニングを作成することができるのです。
このトレパは、特に学校の先生や教育委員会、塾の皆様にご利用いただくことを想定しております。多くの方にご利用いただき、フィードバックいただいて改善したり普及のための活動を行いたいと思っております。そこで『スクールパートナー』という先生・学校・教育委員会・学習塾を対象とした制度をスタートし、実証実験を開始します。費用はかかりませんので、ご興味のある方は是非!
そして、この『トレパ』は学校むけのサービスとしてだけでなく、弊社LMSの”KnowledgeDeliver”にもオプションとして搭載します。2017/10リリースのKnowledgeDeliver Ver.6.6に搭載されます。AI Training+をご利用いただくことで、トレパ同様の英語4技能のコンテンツを作ったり提供することができます。さらに個別のお客様に合わせたカスタマイズにも対応しますので、標準とは違ったことをやりたいという方は是非こちらもご活用ください。
AI Training+の初のお客様として、秀英予備校さんの御採用が決まっております。こちらはリリースも発行いただいておりますが、この冬から小学校の英語でまずは導入実験を行います。
今回のAI関連サービスについては、エンジニアが発案したもので「技術的に面白そうだから週末に遊びで作ってみた」ものを製品レベルまで昇華させたものです。プロジェクトチームを発足し、数カ月にわたり数名が社長室に(社長を押しやって)篭って開発をしました。弊社らしい新製品の誕生だとも言えます。
■関連情報:
- 『トレパ』サイト
- 『AI Training+』紹介サイト
- 秀英予備校とデジタル・ナレッジが提携人工知能(AI)技術を導入し、英語教育を強化(秀英予備校さまプレスリリース)
- 秀英予備校、AI導入し英語教育 小学生向け(日本経済新聞)