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eラーニング導入を成功させる3つのポイント

効果的な学習を実現する成功の秘訣とは?大切な3要素「選定」「教材」「モチベーションの維持」に迫ります。

eラーニングはただ導入すればよいというものではありません。「以前eラーニングを導入したがまったく根付かなかった」という企業担当者の方もいらっしゃいます。一方で、eラーニング導入により高い効果を上げている事例もたくさんあります。

この違いはなぜ生まれるのでしょうか?

eラーニング導入を成功に導く第一歩は「eラーニングの選び方」にあります。 企業や学校、サービスの内容等によって最適なeラーニングの形は一つひとつ異なります。

ここを見誤ってしまうとeラーニング導入の成功は難しくなってしまいます。

また最近では、市販のコンテンツを利用するのではなく、オリジナル教材を内製化されるケースが増えており、“いかに学習者を飽きさせない、惹きつけるコンテンツを作るか”が重要なポイントとなっています。

eラーニング導入を成功させる3つのポイント

さらに、“いつでも・どこでも”自分のペースで学べるのがeラーニングのメリットですが、その反面、学習者のやる気を持続させるのが難しいとも言われています。学習者の意欲を高める動機付けや仕組みがあるかないかで、その効果は大きく変わってくるでしょう。

ここでは「最適なeラーニングの選び方」から「オリジナルコンテンツ作りの秘訣」、「学習意欲をアップさせる最新手法」について解説していきます。


最適なeラーニングの選び方

eラーニング導入を成功させる第一歩は「eラーニングの選び方」にあります。自社・自校に適したeラーニングの規模・形態・使い方をよく見極めることが大切です。「eラーニングを導入する目的は?」「そのためにはどんなeラーニングが適切なのか」を明確にしましょう。

たとえば、営業スタッフ向けの教育研修にeラーニングを導入する場合、従来のデスク(パソコン)で学ぶタイプのeラーニングでは現場の使い方にマッチしません。スマートフォンやタブレットを使ったモバイルラーニングなら、外回りが多い営業スタッフでもすきま時間を活用して無理なく学ぶことができます。オフラインで学べる仕組みを作るのも効果的です。
資格取得学習の場合は繰り返し学習が重要。自宅のパソコンで学んだ講義動画を通勤・通学中にスマホで再度視聴したり、続きを見たりといった使い方は学習の継続性を高めます。複数のデバイスをまたいでスムーズに学習可能なマルチデバイス対応やレスポンシブデザイン(※1)対応のeラーニングシステムがお勧めです。
医療機関における研修eラーニングでは、学習環境だけでなく、多数の医療スタッフの学習履歴や資格取得状況を一元管理化することが求められます。こうしたケースでは学習履歴管理に強いシステムを選ぶとよいでしょう。
企業研修においては人事データベースとの連携が求められるケースもあります。人事異動や査定など個々の企業によって紐づけしたい内容が規模が異なりますので、ある程度自由が利きカスタマイズが可能なeラーニングの仕組みが必要です。
あるいはもっとコンパクトに気軽に始めたいという方はASPサービスが便利です。サーバーを自社・自校で準備する必要がなく、最小限の手間や負担で始められます。

かつてeラーニングはパソコンでの学習が前提でしたが、昨今はスマホやタブレットなどを含む様々な環境(マルチデバイス)で学習する環境が一般化しています。これがさらに進み「スマホでも」学習できる環境から「スマホを第一に考えた」学習スタイルをとるケースも増えています。このようにスマホでの学習を前提とした学習スタイルを「スマホファースト」と呼びます。 特に若い年齢層を対象としたeラーニングではこのスマホファーストを意識する必要があります。

そして、どのパターンにおいても必ず押さえておきたいのが「使いやすさ」。学習者側はもちろん、管理者側においても直感的に操作できるわかりやすさが重要です。せっかく導入したeラーニング、「なんとなく使いづらい」「わかりにくい」「操作が難しい」と敬遠されてしまっては意味がありませんからね。

(※1)レスポンシブデザイン……
パソコン、タブレット、スマートフォンなど画面サイズの異なる複数のデバイスでもページレイアウト・デザインが自動調整され同一内容が表示される仕組みのこと。デバイス毎に複数のHTMLファイルを用意していた従来の方法に対し、レスポンシブデザインでは1つのHTMLファイルで複数デバイスに対応できるため、メンテナンス工数の軽減や各デバイスのURL統一化などのメリットがあります。学習者にとってはどの端末でも同じユーザーインターフェースで学習可能となり利便性が高まります。


学習者を惹きつけるコンテンツ作成の秘訣

eラーニングに必須の学習コンテンツ(教材)。市販のコンテンツも多数ありますが、企業・学校にはそれぞれ独自の学習内容があり、オリジナル教材でなければ伝えられない内容も少なくありません。最近ではコンテンツ作成機能が充実したeラーニングシステムも多く、それを使ってオリジナル教材を内製化されるケースが増えています。

実は学習者を飽きさせないコンテンツを作成できるかどうかが、eラーニング運営上重要なポイントのひとつ。多くの方がシステム導入後、このハードルにぶつかります。ここでは学習者の立場に立った、魅力的なコンテンツ作りのコツをいくつかご紹介します。

コンテンツはできるだけ短く!

コンテンツは短くまとめるのが鉄則。5~10分で学べる長さが目安です。最近ではコンテンツがさらに短くなる傾向が進み、とくにスマホ向け教材では30秒~1分程度のものも主流です。

わかりやすいタイトル

コンテンツ毎にわかりやすく魅力的なタイトルをつけることも、学習者の「学びたい」という意欲を後押しする重要なポイントです。ひと目で内容がわかるタイトルを付けましょう。

インタラクティブな仕掛け

教材に音声や音声に同期した指差し、線引きなどのアニメーションなどを付けてみましょう。何もないときと比べ、驚くほどメリハリの効いた教材を作ることができます。学習者の興味関心を惹きつけるインタラクティブな仕掛けは必須です。

動画・映像教材にチャレンジ

映像から情報を得ることに慣れている現代、動画教材を活用しない手はありません。とくに接客や作業手順といった紙のツールでは伝えきれない内容を映像化することは大変効果的です。動画にテロップを付けたり資料を同時視聴することで、より分かりやすい教材を作ることができます。

動画教材に+αの工夫を

講師が一方的に話す時間が長くなると学習者は飽きてしまいます。そこで、講師役とは別の聞き手を登場させ、会話形式で進めるのも一つの方法です。「この単元のポイントは?」「〇〇が重要です」「はい、〇〇が重要なんですね」といった具合に質問や反復、確認を織り交ぜて行うことで、学習者の記憶により残りやすくなります。

起承転結を意識する

最初にその単元のゴールを明示し、学習の目的を明確にしましょう。学習者に“学ぶスイッチ”が入ります。導入部分は簡単に、段階的に難しくすることで無理なく学べる流れを作れるよう意識しましょう。最後は確認テストやまとめを入れて知識の定着を図ることを忘れずに。

学習意欲をアップさせる最新手法

“いつでも・どこでも”自分のペースで学べるのがeラーニングのメリットですが、その反面、学習者のやる気を持続させるのが難しいとも言われています。そこで最近では学習者一人ひとりに最適化された学習環境を提供したり、学習者の意欲を高める様々な手法が登場し注目されています。

ゲーミフィケーション

ゲームデザインの技法やゲーム的要素を組み込むことで、ユーザーのモチベーションやロイヤリティを高める「ゲーミフィケーション」。eラーニングにゲーミフィケーションを取り入れることで、学習者のやる気を高め、最後まで楽しく取り組める仕組みを作ることが可能です。

ランキングを公開する

入社時期や地域エリア、あるいは全学習者における成績や学習進捗のランキングを公開するやり方です。「全国で10位以内に入った」「同期の中で一番学習が進んでいる」といったわかりやすい指標により、学習者の学習意欲をさらに高める効果が期待できます。

アバターを成長させる

学習者一人ひとりにアバターを設定し、学習進捗に応じて成長させることで学習進捗を可視化する手法です。定められたコースをクリアするごとに、アバターの機能やアバターが装着できるパーツが増えます。自己表現はゲーミフィケーションの重要な手法のひとつです。

ポイントや修了証を付与する

学習進捗に応じてポイントやバッチ、修了証などを付与する手法です。子供の頃、ドリルを1ページ終えるたびにシールを貼った記憶はありませんか?それと同様に達成可能な目標設定を行い、達成できればその成果を目で見える形で称賛します。

上記以外にも様々なゲーミフィケーションの手法がありますので、一度参考にされてみてはいかがでしょうか。

ラーニングアナリティクス(教育ビッグデータ・学習履歴活用)

eラーニングでは学習者の学習進捗や成績をシステム上で収集・管理することができます。こうしたいわゆる教育ビッグデータ(学習履歴)を分析・可視化することで、学習者一人ひとりに合った最適な学習提供に活用しようという「ラーニングアナリティクス」が教育現場で注目を集めています。

アダプティブ

学習進度やテストの正誤情報をもとに学習者の弱点を類推し、一人ひとりに適した教材やテストを自動抽出・提供することができます。アダプティブの仕組みを導入することで、従来ベテラン教員が行っていた適切な指導を形式化し自動的に提供可能となります。

レコメンド

学習履歴の分析結果をもとに、次に学ぶべきおすすめコースを提示し追加履修を促すことができます。履修についてのアドバイスをすることも可能です。企業研修においては年次や階層、部門だけでなく、該当コースを適切な受講者に提供することができます。

コンテンツ・教材開発への活用

「高い教育効果と因果関係の強い項目や活動とは?」といった学習履歴の分析結果をもとに、コンテンツや教材開発、教え方、コース設計の見直し等に活用することで教育の質向上を目指すことができます。

ポートフォリオ

学習者の履修状況や成績などの教育記録を蓄積・管理整理したり、学習目標や気づき・振り返りを記録したものをポートフォリオといいます。eラーニングだけでなく、リアルな授業や学習アプリなどの学習活動全般を統合して視覚化することで、学習者自らが学習活動の把握、振り返り、目標設定を行うことができます。こうした体系的な学びの可視化によりモチベーションの維持向上が可能になると期待されています。

またまだ研究段階の部分も多い「ラーニングアナリティクス」ですが、学習者中心のより学びやすい学習環境を実現し学習意欲を高める手法として活用されてみてはいかがでしょうか。


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