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SCORMとは何か?
eラーニング、LMSとの関係や利用するメリットを解説

オンライン授業やオンライン研修の導入をすすめるなかで、「SCORM」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。SCORMについて理解を深めることで、eラーニング教材や学習管理システム(LMS)を選ぶ際によりメリットのある選択をしやすくなり、効果的なオンライン教育やオンライン研修の実施につながります。

このページではSCORMとは何か?というところからそのメリット、LMSや教材との関係も含め詳しくご紹介していきます。

SCORMとは何か?

SCORM(スコーム)とは「Sharable Content Object Reference Model」の略で、eラーニングにおける国際的な標準規格です。LMS(学習管理システム)と教材を組み合わせるための仕様を定義しています。

各社のLMSはそれぞれ独自の仕様で設計されているため、教材を載せるためには自社が使っているLMSに合わせてコンテンツを準備する必要がありました。しかしながら、LMSを乗り換えたり、導入したLMSの会社がなくなってしまった場合、コンテンツを新しいLMSに合わせて作り直す必要があり、そのコストは膨大でした。

そこで、教材を各LMSで相互運用できるための標準規格として誕生したのがSCORMです。実際には、LMS開発側のSCORMの解釈の違いや独自機能の追加により、教材を載せる際にはある程度の調整が必要になる場合がありますが、基本的にはSCORMに準拠したLMSとeラーニング教材なら互換性があるため、メーカや種類を問わず相互運用が可能となっています。


SCORMの歴史

SCORMは、2000年に米国のADLという標準化推進団体により策定されました。ADL(Advanced Distributed Learning)はアメリカの国防総省や連邦政府により設立され、学習の仕様や設計を取り決め、普及させることで相互運用やコスト削減につなげる活動をしています。

日本では、日本イーラーニングコンソシアム(eLC)が中心となり、SCORMの標準化を推進しています。SCORM規格の普及活動のほか、LMSやコンテンツの認証および、SCORM関連資格の認定をおこなっています。


SCORMのバージョンについて

SCORMは常時アップデートされており、複数のバージョンが存在します。そのため、LMSやeラーニング教材を選ぶ際は、もっとも普及している、もしくは最新のバージョンに対応しているものを選ぶことが大切です。

現在、もっとも普及しているバージョンは「SCORM 1.2」と「SCORM 2004」の2つです。SCORM 2004は1.2から機能が多数追加され、1.2では不可能だった「学習の順序分け」や「データの共有」が可能になり、より効果的な学習スタイルを設計できるようになりました。

関連リンク

デジタル・ナレッジの『KnowledgeDeliver』は日本初の「SCORM 1.2」「SCORM 2004」認定のLMSです。eラーニングの規格として事実上、世界基準となっているSCORMコンテンツに対応しています。

https://www.digital-knowledge.co.jp/product/kd/lms/

SCORMの役割と仕組み

SCORMには、大きく分けて2つの役割があります。

① LMSと教材間で学習履歴データ等をやりとりする

SCORM規格では、教材はSCORM APIアダプタを通してLMS上のユーザIDや学習者の氏名を取得できます。また学習が進むと、進捗状況、テストの点数、合否、学習時間といった学習履歴データが作られます。教材コンテンツ側で生成されたこのデータは、SCORM APIアダプタを介してLMSに送られ、記録されます。

このようにSCORMのAPIを介して情報をやり取りすることで、異なるベンダーのLMSと教材との間で各種情報をやりとりできるようになり、教材は通信作法を一切気にすることなく、学習体験を提供できます。


② 教材の構造に関する情報をLMSに渡す

SCORMにはもうひとつ、コンテンツアグリゲーションとよれる重要な仕組みがあります。

コンテンツアグリゲーションには、コンテンツを流通させるために必要な情報を定義し、検索性や再利用性を高める役割があります。具体的には、教材のタイトル、概要、制作者、関連キーワード、バージョンなどの情報を、規定されているXMLのフォーマットに記入します。LMSはこのファイルの中身を解釈し、システムに教材を登録します。こうすることで、LMS側で目的に沿った教材を抽出できるようになります。

さらに、XMLファイルには教材コンテンツの構成も記載する必要があります。教材の構成を階層構造で表現し、これが目次となって、学習者が学習する際の手がかりとなります。教材の構造に関する情報をLMSに渡すことで、LMS上での表示や学習順を決めることができるのです。

SCORMを利用するメリット

SCORMに準拠することで、LMSと教材の相互運用を実現でき、コスト削減や利便性向上につながります。

先ほどもご紹介した通り、各社のLMSはそれぞれ独自の仕様で設計されているため、SCORM登場以前は、A社のeラーニング教材をB社のLMSで利用することはできませんでした。そのため、既存の学習コンテンツをそのまま利用できず、LMSを他社のものへ乗り換えなければならないといった弊害が発生していました。SCORMはこのような弊害をなくし、教材とLMSとの通信を統一化して、両者の総合運用性を高めてくれます。

DVDやBlu-rayソフトがすべてのメーカの機器で再生できるのと同じように、eラーニングの世界でも「SCORMに準拠したLMS」「SCORMに準拠した教材コンテンツ」なら、より利便性が高く、活用範囲がひろがるというわけです。また、学習者の進捗状況と結果を追跡できるため、オンライン学習の効果が大幅に向上します。

SCORMを利用するデメリット

LMSを導入してオンライン授業やオンライン研修を実施する場合、LMSについてはSCORMに準拠したLMSを選べばOKですが、同時にSCORMに準拠しているeラーニング教材を準備する必要があります。

SCORM 教材を自社で作成するには、HTML、CSS、JavaScriptなどの Web 技術が必要です。作成した教材は、SCORM のパッケージングツールを使ってSCORM パッケージにまとめ、さらにLMS に登録するという作業をおこなわなければなりません。これには大変な時間と労力が必要です。

このようにSCORMは非常に複雑な仕様であり、社内でSCORM対応の教材を作成する場合は、専門的な知識が必要になる点がデメリットといえます。

SCORM対応の教材を作成する方法

SCORM対応の教材を自社で内製化したい場合、もっとも簡単な方法はSCORMに対応したオーサリングツールを利用する方法です。ツールによって機能は異なりますが、基本的には設定項目を指定するだけで、専門知識がなくてもSCORM教材を生成できます。

SCORM対応の教材を作成できるソフトウェアまとめ

iSpring Suite

PowerPointスライドをベースに、SCORM対応のeラーニングコンテンツを作ることができるオーサリングツールです。すでにPowerPointスライドをお持ちであれば、そのスライドを簡単にマルチデバイス対応のeラーニング教材に変えることができます。WordやPDFファイルをインタラクティブなコンテンツに変換することも可能です。

動画を使ったコース、クイズ・テスト付きのレッスン、対話型ロールプレイングシミュレーションなど、多様な作成機能を搭載。デザインテンプレート、キャラクター、画像素材も充実しており、自社に素材がなくてもイメージに合ったコンテンツ作りが進められます。


Articulate Storyline 3

インタラクティブで魅力的なSCORM対応コンテンツを作成できる高機能のオーサリングツールです。さまざまなオブジェクトを教材化できるツールが揃っており、コーディングやパッケージ化などの作業にかかる時間を大幅に短縮できます。テキストはもちろん、画像・アニメーション・音声・ビデオ・クイズなど、インタラクティブなコースを作成可能です。

Articulate Storyline 3 の魅力は膨大なコンテンツ作成機能ですが、一方ですべてを使いこなすためにはかなりの時間と労力を要します。そのため、社内にある程度の規模の研修専門部署がある会社やプログラミングの基礎を理解しているスタッフがいる組織での活用がおすすめです。

日本初「SCORM 1.2」「SCORM 2004」認定のLMSで教材作成もサポート!

デジタル・ナレッジのLMS『KnowledgeDeliver』は、「SCORM 1.2」と「SCORM 2004」の2つに準拠、さらにWebベースで簡単にSCORM対応教材を作成できます。

すでにお持ちのPowerPointやPDFの資料をそのまま教材としてご使用いただくことも可能。スライド・動画・クイズ・テスト・アンケートなど、多様な教材作成メニューを搭載、SCORM対応eラーニング教材をすばやく作成できます。

インタラクティブ教材を簡単作成

PowerPointスライドや画像ファイルを背景に、映像や音声を挿入したわかりやすい教材をブラウザから簡単に作ることができます。映像や⾳声に合わせた指差しなど指⽰動作の入力、図形の挿⼊、ページ切り替え、PowerPointアニメーションのタイミング制御も可能です。


テストを一括作成・ランダム出題

テスト問題や解説も簡単に作成できます。○×式、選択式、記述式など多様なテスト形式が選択可能。CSVを利用した⼀括登録で大量のテスト問題の作成も簡単です。決められた問題を⼀定の順番で出題するだけでなく、複数問からランダムに出題することもできます。


教科・コースを設計

作成した教材やテストを好きな順番に並べ替え、章・単元ごとに振り分けを行うことができます。これにより受講者は教科書の目次からリンクをたどるように教材にアクセス・受講することが可能です。


前提条件を設定

定められた日時になると学習がスタートできる、前の章を修了した人だけ次の章に進めるなど、学習の前提条件を設定することができます。


効果の高い動画教材を簡単作成

テロップ、理解度確認クイズなどを加えた動画教材を簡単に作成・配信。制作会社に外注することなく、マルチデバイス対応で教育効果の高い映像教材を内製できます。
※オプション機能

LMS『KnowledgeDeliver』の詳細・導入事例はこちら ≫

まとめ

教育・研修ニーズの多様化とICT技術の進歩により、必要とされるLMSの機能や教材は今後も刻々と変化していくことが予想されます。SCORMに準拠したLMSや教材を準備しておくことは、変化に柔軟に対応できる教育・研修環境作りにつながるでしょう。より効果的な教育・研修の実現のためにSCORMについての理解を深め、最適なLMSを選んでみてはいかがでしょうか。

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